日本の製造業が転機を迎えている。自動車や電機を中心とした輸出依存の構造にかげりが見えたからだ。もちろん,輸出自体は否定できず,人口が減少に転じた日本にとって,世界は今までと同様,重要な市場であることに変わりはない。ただし,従来のままでは,明るい展望は描けない。今後10年をかけて国内市場を喚起し,さらに海外市場に打って出ていける産業を「ものづくり発」で創出する必要がある。その一つの産業として有力である「農業」が,日本を支える大きな産業になり得るのか、そのためにはどのような取り組みが必要なのかを提言としてまとめた。