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第3回:成功の要件が誰の手にも

小谷 卓也=日経エレクトロニクス
2010/02/05 00:00
1/3ページ
出典:日経エレクトロニクス、2009年6月29日号 、pp.40-42 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
前回から続く)

 Amazon.com社とソニーの成功は,電子書籍市場への進出を狙う多くの企業に“自信”を与えることになった。「我々にもできると考え始めた企業は多い」(複数の業界関係者)。なぜなら,Amazon.com社とソニーが提供したサービスによって,電子書籍事業で成功するために必要な条件が明確になったのと同時に,その要件を両社以外の企業でもあまねく手にできる環境が最近になって整ってきたからだ。

 成功の要件とは,すなわち(1)電子書籍コンテンツを読むのに適した端末,(2)誰もが快適に使える無線通信機能,(3)魅力的で充実したコンテンツ,の三つである。これらの要件を組み合わせた環境を,ユーザーに提供することが重要である。今から数年前までは,この三つの要件をすべて同時に満たすのは不可能に近かった。それが,死屍累々の山を築いた過去と,現在の大きな違いである(図4)。

図4 成功の要件がそろう
図4 成功の要件がそろう
電子書籍市場をめぐる環境は,死屍累々の山を築いてきた2000年代半ばまでの状況と様変わりしている。「端末」「無線通信」「コンテンツ」といった成功への必要条件がそろってきた。

 (1)の端末については,本を読みやすい画面寸法を持つ専用端末を,そこそこの性能と価格で“誰でも”開発できるようになってきた。特に,紙に近い読みやすさを特徴とする電子ペーパー技術などの進展は見逃せない。最近になって市場が広がってきたスマートフォンやネットブックなども,使い方によっては電子書籍端末として利用できるため,ビジネスモデルを構築する際の端末の選択肢が広がってきた。

 (2)の無線通信では,3Gが日本のみならず海外でも普及し,以前より通信料も安くなっている。最近では,仮想移動通信事業者(MVNO)も増えてきており,Kindleのようにユーザーに“通信”を使っていることを意識させないような実装も可能になってきた。国内のMVNOである日本通信も,「電子書籍は,条件が整えばぜひ手掛けたい分野だ」(同社 取締役の田島淳氏)と積極的な姿勢を見せている。

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