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HOMEエレクトロニクス電子デバイス提言:日本に専業Siファウンドリを > 第3回:日本の中堅半導体メーカーへの提言

提言:日本に専業Siファウンドリを

第3回:日本の中堅半導体メーカーへの提言

  • 瀧澤 秀樹=ドイツX-FAB Semiconductor Foundries AG
  • 2010/02/05 00:00
  • 1/2ページ

前回から続く)

 これまで日本の半導体メーカーの現状と課題を分析し(連載第1回),まずは大手半導体メーカーの対策を提案した(連載第2回)。今回は,中堅半導体メーカーに対する対策を提案したい。

中堅,外注が安い品種も内製

 想定する中堅企業は表2のようなラインを保有しているものとする。現状を具体的に分析すると,以下のような特徴が浮かび上がる。

表2 中堅半導体メーカーの例
表2 中堅半導体メーカーの例

(1)特に製造面で2004年以降に売上高を減らしている会社が多く見受けられる。国内市場の比重が高く,日本市場の低迷が根本的な問題として売上高にも影響を及ぼしている。

(2)300mm工場へ投資しておらず,社内の最先端ラインは1990年代中期から後期に立ち上げた200mmラインのAl配線による150nm世代までとなっているケースがほとんどである。

(3)すべての内部需要を満たす工場投資をせずファブライト・モデルを早くから選択している。先端ロジック・プロセスの製造にはSiファウンドリを使用し,社内工場は大量生産品のCMOSイメージ・センサー,フラッシュ・メモリー,液晶ドライバなど,特徴ある製品を内製する。

(4)特徴ある内製半導体製品の製造コストが最も低い状況ではなくなりつつある。例えば,携帯電話機向け液晶ドライバは300mmラインが最適となっている。CMOSイメージ・センサーでは,300mmラインのSiファウンドリやDRAMで償却したラインのコスト競争力が高まっている。先端ロジック品のみならず,特徴ある内製品まで社外で製造することが最適という状況になりつつある。

(5)設計側のニーズと製造ラインの環境がミスマッチを起こしている。社内設計部門は,例えばアナログ製品を強化したい。しかし,今までロジックや特定製品(液晶ドライバなど)に特化したラインでは,アナログ製品に必要な環境が整っていないというジレンマを抱えている。

(6)Siファウンドリ事業を手掛ける企業が増えている。例えば,空いたラインを埋めようと,国内の他のIDMと協業という名目でSiファウンドリ事業に参入を試みている場合がある。本格的にSiファウンドリ事業を展開している中堅のIDMも出てきている。

安易なSiファウンドリ事業開始はリソース分散招く

 こうした動向を踏まえて想定される課題には以下のようなものがある。

(a)生産量と品種に応じて最適な工場で生産することが大手IDMより難しい。ラインの生産能力が小さいため,最適な組み合わせを見付けにくくなることによる。

(b)ファブライト戦略を取っているものの,既存ラインに対する継続的な投資,メンテナンス,生産能力の最適化が必要となる。

(c)自社ラインを可能な限り自社製品のために活用する必要がある。自社ライン向け設計と製造のバランスとリソース配分に力を注がなくてはならない。社内ラインを使うロジック品でも開発リソースは増大の一途であり,さらに社内ラインを活用する開発リソースも必要となる。

(d)製品供給責任を果たす目的などのため既存ラインを閉鎖できないことがある。そこで余ったラインを埋めるためのSiファウンドリ事業を展開することになる。ウエーハ単価が下落するなか,プロセス技術の開発リソースを顧客に分散させることになり,専業Siファウンドリに比べてサービスとデザイン・キットの充実度で差を付けられている。

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