部品の形状や寸法などのバラつき範囲を規制する「公差」。適切な公差の設定は,品質とコストを高い次元でバランスさせるためには不可欠だ。ところが,多くの企業でこの公差の「質」がいつの間にか低下している。このままでは,世界で闘う競争力が失われてしまう。今の時代に合った質の高い公差設計力を身に付けることが,勝負の行方を左右する大きなアドバンテージとなる。

本シリーズは,日経ものづくり2009年6月号特集「公差 再入門」(pp.32-53),および2007年4~12月号に掲載した連載コラム「ベーシック幾何公差」を再編集したものです。(記事は同特集執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)