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直流給電,CO2削減の切り札に

第2回:家庭でも期待がかかる直流給電

  • 狩集 浩志=日経エレクトロニクス
  • 2009/11/18 00:00
  • 1/2ページ
(前回から続く)

 消費電力を10~20%削減できる可能性がある直流給電は,まずは電力消費が非常に多いデータ・センターから導入が始まりつつある。データ・センターへの採用が進んだ後,さらにオフィスや工場,店舗,家庭などに徐々に浸透していきそうだ。このうち,家庭で直流給電システムが普及するためのカギを握っているのが太陽電池である。日本では,家庭用太陽電池に対する補助金制度が2009年度から復活した。経済産業省の最大導入シナリオでは,2020年に2800万kWと,約530万戸の住宅に,2030年には5300万kWと,約1000万戸の住宅に設置が広がる予測がある(図1)。

図1 日本では今後,太陽光発電の導入が拡大し,2030年に5300万kWを上回る可能性がある。図は経済産業省の資料を基に本誌が作成した。

 こうした太陽電池からの発電量の増加は実は,大きな問題を引き起こす。日本では太陽電池からの発電量が1000万kWを超えると,電力網にあふれ出して電力系統が不安定になるからだ。こうした問題に対処するため,太陽電池に蓄電装置を組み合わせたシステムを各住宅に設置し,太陽電池からの電力を蓄電池に蓄えて,電力網の安定化を図るシナリオが現実味を帯び始めている。

 
図2 現状の太陽電池を設置した住宅では,太陽電池で発電した直流をパワー・コンディショナでDCからACに変換し,系統電力の交流に波長や位相を合わせている(a)。将来的には,太陽電池とLiイオン2次電池を組み合わせたシステムが登場するが,現状のシステム構成のままでは太陽電池からの電力を4回以上もAC-DCもしくはDC-AC変換するため,変換ロスが大きい(b)。そこで,住宅内で直流のまま利用することで,変換ロスを大幅に削減できる(c)。
 
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 ただ,現状の家庭用太陽電池は,直流で発電した電力をパワー・コンディショナで交流に変換し,系統電力に逆潮流できるように系統電力と電圧や位相を合わせている。そのため,家庭内には交流で給電し,機器ごとにAC-DC変換している。

 ところが今後,現状のシステムに蓄電池を組み合わせようとすると,データ・センターと同じく電力を直流から交流,あるいは交流から直流に変換する回数が増え,変換ロスが非常に大きくなる。そこで,系統電力を最初に高効率のAC-DCコンバータで変換し,太陽電池から2次電池,機器まで同じ電圧で直流給電することで,変換ロスをなくすことができそうだ(図2)。

 太陽電池と蓄電装置,これに直流給電という組み合わせは,さまざまな可能性を秘めている。例えば,住宅メーカーにとっては災害時や停電時でも照明や機器を利用可能な住宅として販売することが可能である。太陽電池だけでなく,同じく直流で発電する燃料電池と組み合わせることもでき,家庭の発電量をさらに高められる可能性がある。そうなれば,まずは分散型電源として地域ごとに連携し,省エネルギー効果をより高めることもできるかもしれない。最終的には系統電力へ逆供給し,ピーク電力の平準化にも貢献できるだろう。

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