「電子機器の筐体では,携帯型端末のような薄型品を除けば,ほぼすべての製品に適用可能」「直射日光が当たる部位は厳しいが,それ以外の自動車内装用の射出成形品に必要な耐熱性は確保した」「最高レベルの難燃性が要求される複合機の筐体でも使える」――。生物資源を主原料とするバイオマス・プラスチック(バイオプラ)の開発や特性改善が急速に進んでいる。その適用先は,従来は困難とされていた領域へとどんどん広がり始めた。しかも,ポリエチレンやポリアミドなどのバイオプラ版も登場。実力も層の厚みも増したバイオプラが,今か今かと出番を待っている。最大の課題は価格。だが,原油価格が乱高下しながら上昇基調をたどる中,今後低価格化していくバイオプラが石油系プラスチックを価格性能比で追い越す可能性は高い。最前線の取り組みを紹介する。