2010年代は「ケータイ」から「モバイル・ブロードバンド」への移行を進める10年間となりそうだ。最終的な目標は,第4世代移動体通信システム(4G)規格「IMT-Advanced」の導入。前半の5年間は,3G規格「IMT-2000」の方式として認められたLTE(long term evolution)やモバイルWiMAXが各国で導入される。IMT-Advancedとして認められた後継の4G規格の導入は,その後に始まる。
移動体通信事業者の多くは,2014年までにLTEを導入する方針を打ち出している。2012年ごろには最大100Mビット/秒級のLTEサービスが広く普及しそうだ(図1)。
その先陣を切る一社が,LTEの標準化を主導したNTTドコモだ。2010年12月に,2GHz帯の「少なくとも5MHz幅」(同社)を使い,既存の3G通信エリアの一部にLTEのサービスを追加する。海外では米Verizon Wireless社やスウェーデンTeliaSonera社などが2010年のLTEサービス開始を目指す。国内のKDDI,ソフトバンクモバイル,イー・モバイルの3社や海外の多くの事業者も,2012年ごろまでにLTEを導入する方針を示す。