「CEATEC JAPAN 2007」直前の2007年10月1日に発表された,ソニーの11型有機ELテレビ「XEL-1」。この製品のウリは,最薄部3mmという薄さを生かしたデザインにある(01)。会場でも,画質だけでなくその薄さに注目が集まっていた。
「大画面」や「高画質」といった数値競争や横並びと決別し,自社の得意技術を深めて,製品で消費者が得る体験や驚きを重視する。「CEATEC」でメーカー各社が打ち出したのは,「超薄型テレビ」に代表されるデザイン性の追求やユーザーの健康管理/行動支援といった生活提案型の製品・サービスへの転換だった。自動車メーカーである日産自動車の初参加も話題となった(02)。
篠田プラズマは会場内で開催された特別セッションで,開発中の43型「PTA(plasma tube array)」を披露した(03)。PDPと同様の発光原理を用いるチューブ状の発光菅を並べたような形状をしており,薄い上にフレキシブル性がある。PTAの試作品は大きさが1m×0.5mだが重さは800gと軽く,厚さはわずか1mmである。同社はこうしたPTAの特性を生かし,壁や天井に張り付けるような用途を狙うという。このほか, 日立製作所やシャープ,日本ビクターなどが超薄型テレビに取り組み,おのおの技術力をアピールした。
一方,松下電器産業は高画質VODサービス「アクトビラ ビデオ・フル」にいち早く対応したPDPテレビを発表した(04)。このサービスは,テレビ向けポータル・サイト「アクトビラ」が2007年9月に開始したばかりのサービスに対応し,テレビのネットワーク利用に先鞭を付ける姿勢を示した。