「CEATEC JAPAN」は,35年の歴史がある電子機器・部品の展示会「エレクトロニクスショー」と,コンピュータ関連の展示会「COM JAPAN」が統合して生まれた総合展示会である(01)。CEATECは「Combined Exhibition of Advanced Technologies(先端技術の複合展示会)」の略で,その名の通り,民生機器や通信機器,産業用機器,さらにLSIや受動部品, フラットパネル・ディスプレイといったデバイスと,極めて広い分野をカバーする展示会になった(02)。
どこもかしこもBluetooth
そんな新生CEATECの会場を席巻したのは,近距離データ通信技術の「Bluetooth」であった。Bluetoothは前年の1999年7月26日に仕様書バージョン1.0が発表されており,これからの普及が見込まれた技術だった。
実際に動作していた製品の中で最も多かったのは,Bluetoothモジュールなどが入ったユニットを携帯電話機に外付けし,ヘッドホンなどと組み合わせた展示である(03)。このほか,東芝はBluetooth用PCカードを装着した液晶プロジェクターを展示し,松下電器産業はテレビ会議を想定してパソコン同士で動画をやりとりするデモを披露した。シャープは,同社の携帯情報機器「ザウルス」とパソコンをBluetoothでつなぐデモを見せた。一方,村田製作所や松下寿電子工業といった部品メーカーは,こうした機器に向けた通信モジュールを展示した。特に村田製作所は,複数の機器同士が同時に通信できるマルチポイント接続を実際に動かして見せ,ライバル・メーカーの度肝を抜いた。
HDTV対応ディスク録画機が登場
AV機器メーカーが,展示の柱として力を入れていたのは,HDD や光ディスク(DVD)を録画媒体に使う録画機と,液晶パネルやPDPを使った薄型テレビである。現在のBlu-ray Discにつながる次世代光ディスク録画機「DVR-blue」(仮称)も,この時初めて展示された(04)。