タッチ操作に改善の余地

 HT-03Aには物理的なキーボードがなく,文字や数字の入力にはタッチパネル上に表示したソフトウエア・キーボードを使う。文字入力は,評価に参加したモニタが最も苦労した点の一つであり,ほとんどがミスタッチを連発していた。タッチ操作には慣れているはずのiPhoneユーザーも,他のモニタほどではないが,やはりミスが目立った。

 文字入力がしづらい一因は,ソフトウエア・キーボードのキーの小ささである。実際に「小さいなぁ」と不満を漏らすモニタもいた。液晶画面の物理サイズの影響もあり,iPhoneと比べてみるとキーピッチはやや短い程度だが,キーの間に余白を設けていることや表示要素などからボタンそのものが小さく見えてしまう。このあたりはキーボードのビジュアルデザインによってある程度改善できる可能性もある。


ハーフミラーや動画で実験の様子を観察
ソフトウエア・キーが小さい
左がHT-03A,右がiPhoneのソフトウエア・キーボードである。

 このほかにも,タッチパネルならではの入力でモニタがまごついた例がある。カレンダーのアプリケーションで予定の時間を変更する際に,時刻の表示の上下にある「+」「-」ボタンを使う方法と,ソフトウエア・キーボードで直接数字を入力する方法がある。前者では,ユーザーの指で数字が隠れてしまい,何度も指を離して確認しながら入力する様子が観察された。実際はウインドウ左上に設定中の時刻が表示されているのだが,それには気付かない。後者では,入力した数字を確定する「設定」ボタンがソフトウエア・キーボードに隠れてしまい,完了する方法に迷うケースが見られた。


手やキーボードが邪魔をする
手やキーボードが邪魔をする
左は「+」「-」ボタンで時刻を変える場合。右はソフトウエア・キーボードで時刻を変える場合。