ランチャーのイマイチな部分

 アプリケーションのランチャーは上下左右に動かせる。単純に指でなぞると,それにあわせて素早く動く。ところが,ランチャーの中のアプリケーションを指で動かして,画面の下の方にあるドックに入れようとしても,うまくいかない。これは納得できない。何度試みても,単にランチャーの中で並べ替えるだけに終わってしまう。

 Stefanが偶然,ランチャーが開いている間にドックの中のアプリケーションを押し続けた。すると,それをランチャーに移すことができ,ドックにある残りのアイコンが空いた部分を満たすように広がった。ここでランチャーのアイコンを押し続けると,つかんだことを示す表示になり,ようやく指で動かしてドックに入れることができた。

 この操作はいただけない。見つけ出すのが相当難しいし,まずランチャーに移さなければならないからだ。ドックをカスタマイズできるのはいいが,見つけにくい点は最低だ。

 なお,ドックにあるランチャーのアイコンは特別で,取り除けない。ランチャーは,画面の下にあるボタンの脇を下から上になぞるジェスチャーで起動したり閉じたりできるので,アイコンはなくなってもいいはずである。削除できないアイコンで場所をとってしまうのは,画面の無駄遣いといえる。しょっちゅう使うアプリケーションのために,場所を譲れるようにすべきだ。

 出られなかった電話やソフトの更新といった,システムからの通知は,画面の一番下に現れる。画面の下を縁取るような領域に表示され,その分,残りの画面は少し縮む。こうした通知をこの場所に出すのは,目に付く上,他の情報を邪魔しないので適切だろう。

iPhoneに勝てるか

 最後にPalm Preの使い勝手をiPhone 3Gと比較してみた。Chrisは1年と少々,iPhone 3Gを使っている。Preを使ってみたのは一週間と,ごく限られた期間で,しかもオフィスで利用しただけである。長く使い続けると,結果は変わる可能性がある。

 電話の機能やSMSの機能などは,甲乙付けがたい。Webサイトの閲覧では,Palm Preに軍配が上がる。結論を言えば,初めてスマートフォンを使うユーザーで,音楽プレーヤーの機能を重視しないならばPalm Preを考慮に入れた方がいい。ただし,既存のiPhoneユーザーを乗り換えさせるほどではないだろう。

Palm PreとiPhoneの比較の詳細は,日経エレクトロニクス2009年8月10日号の特集「HTML 5――スマートフォン,ケータイ,家電をつなぐ」の第2部「HTML採用のPalm Pre,マルチタスク操作を意識」をご参照下さい。(Tech-On!)

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