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第5回:「電子の本」の普及の扉,ケータイと電子辞書が開く(1)

堀切 近史,小谷 卓也
2009/07/02 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2003年7月21日号 、pp.104-108 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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電子書籍の市場は,何度も立ち上がると言われ,その度に挫折を繰り返してきた。例えば2003年ごろには,携帯電話機や電子辞書の普及が進み,画面の解像度などが電子書籍に使える水準に達したことから,市場開拓の取り組みが活発になった。しかし,結果としてこのときの試みは大きな実を結ばなかった。コンテンツが十分でなかったことや,ユーザーの意識が高まっていなかったことなどが原因だったとみられる。当時のメーカーの思惑を,日経エレクトロニクスの2003年7月の特集記事で振り返る。(2006/7/2)

電子書籍の読者数が一気に拡大する公算が高まってきた。携帯電話機と電子辞書端末が,読書端末へと進化を遂げるからだ。これまで機器メーカーと出版界は,パソコンやPDAを読書端末に使って電子書籍を普及させるべく苦労を重ねてきた。しかし依然として,紙の書籍に比べて限られた読者しか獲得できていない。そこに彗星のごとく現れた携帯電話機と電子辞書端末。老若男女を問わず使われていることを武器に,電子の本を読者へと届け始める。

 「あの本もう読んでみた? すごく面白いよ」「ふぅん。それじゃ帰りに,ケータイで読んでみようかな」。

 学校や会社,駅のホームで,こんな会話を耳にする日が間もなく訪れようとしている。多くの人が日常的に持ち歩く携帯電話機と,最近になって利用者数を増やしている電子辞書端末が,それぞれ「読書端末」へと進化を始めているからだ(図1)。

図1 携帯電話機や電子辞書端末で「読書する」
小説や辞書・辞典など紙の出版物を電子化して,その書籍データを携帯電話機や電子辞書端末で楽しめるようにする動きが本格化している。(a)は,「鬼平犯科帳」(池波正太郎著)をJ-フォンの携帯電話機「J-SH53」(シャープ製)に縦書きで表示した様子である。1行21文字で1画面に14行を表示できる。(b)は,「プロジェクトX」(NHK「プロジェクトX」制作班 編)をシャープの電子辞書端末「PW-C6000」に表示したところ。この場合は1行16文字で,1画面に21行を表示できる。(c)は,J-フォンの携帯電話機「J-T010」(東芝製)を使って国語辞典を利用した様子。(a)と(b)の書籍データの価格はいずれも100円である。(c)の辞書データは,本体の付属品として同梱した小型メモリ・カード内に格納してある。
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利便性が失われていた

 読書端末とは,紙の出版物を電子化した書籍データを再生する機能を備えた端末のことである。これまでの電子書籍の取り組みでは,デスクトップ・パソコンやノート・パソコン,携帯型情報機器(PDA)などが,読書端末の中心的な役割を担ってきた。

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