日産自動車は東京モーターショーに、電気自動車のコンセプトカー「ピボ」を出展すると発表した。都市部での利用を考慮して、3人乗りのキャビンが回転することで前後逆転する機構を組み込んだ。1基で2軸分の出力を持つ「スーパーモーター」を前後に搭載し、4輪の駆動力を独立して制御する。

図1◎電気自動車のコンセプトカー「ピボ」。ボディサイズは全長2700×全幅1600×全高1660mmで、ホイールベースは2000mm。

 前後の向きを自由に変えられるため、狭い場所の駐車でも常に前向き駐車が可能になる。モータと同じく操舵機構も前後に搭載しており、前後逆位相とした場合には最小回転半径は3.5m。同社の小型車「マーチ」でも最小回転半径は4.4mである。

 回転するキャビンにはクルマの周囲を見下ろしたような画像を表示する「アラウンドビューモニター」のほか、ピラーに隠れた死角部分を表示する「シースルーピラー」を組み込んだ。HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)として赤外線を使って指の動きを確認する「IRコマンダー」を搭載する。

図2◎キャビンは180度回転する。ボディ前後の楕円部分には腰掛けることもできるよう、ソフトな素材を使用している。

図3◎スライド式の電動ドア。ルーフ部まで回り込んでおり、乗降性に優れるという。