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 「自動車メーカーは20年、30年、50年先のモビリティーや社会を考える」━━。トヨタ自動車電子技術統括部担当部長の白水浩一氏は2015年7月22日、日経Automotiveと日経ビジネスが主催した「次世代自動車フォーラム」で登壇し、クルマのイノベーションでカーエレクトロニクスの比重が増える中、自動車メーカーの役割についてこう述べた。

 自動車のイノベーションの多くが半導体などカーエレクトロニクスで起こっている。カーエレクトロニクスの技術は進化が早く、企業間の協業体制は水平分業となっている。自動車メーカーはマイコンや半導体などコア技術を持ちながら、他社と協業体制を築くことで「もっといいクルマ」作りが可能になる。そのためにも、自動車メーカーは「20年先、30年先、50年先のモビリティーや取り巻く社会を考えていくことが求められる」との考えを示した。

 

 白水氏は、自動運転技術についても言及した。トヨタにとってクルマは運転者が主体で運転するものであるため「自動運転技術は運転者を支援するシステムとの位置付けである」ことを強調した。

 また、先進安全技術の一つとして「通信」を挙げた。路車間通信で、交差点の障害物を運転者に知らせるほか、車車間通信で先行車の挙動を後続車に伝達する。これら通信機能を今後導入する計画である。