シャープ 新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏。出展した8Kディスプレーの前で
シャープ 新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏。出展した8Kディスプレーの前で
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「あなたのホントの年齢(インターナルエイジ)計測します」
「あなたのホントの年齢(インターナルエイジ)計測します」
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さまざまな生体センサーを出展
さまざまな生体センサーを出展
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洗濯機に接続した、連続電解次亜塩素酸類生成器(右側の装置)
洗濯機に接続した、連続電解次亜塩素酸類生成器(右側の装置)
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 シャープは、「国際モダンホスピタルショウ2015」(2015年7月15~17日、東京ビッグサイト)に同社として初めて出展。8K(8000×4000画素級)対応の液晶ディスプレーの医療応用などに関する展示を行った。2014年12月の「SEMICON Japan 2014」で初披露した「健康コックピット」やAGEs(終末糖化産物)センサー、脈波センサーなどについても、新たなアプリケーションを紹介(関連記事1同2同3)。ヘルスケア・医療分野を事業の新たな柱の一つに位置付ける姿勢をアピールした(同4)。

 出展した8Kディスプレーは85型で、画素数は7680×4320、駆動周波数は120Hz。同社は、8K技術の医療応用を目指すメディカル・イメージング・コンソーシアム(MIC)と共同で、8Kディスプレーの医療応用に関する評価を進めている。今回、MICを中心に2013~2014年に実施した8K映像を用いた手術3例の記録映像を、8Kディスプレーに映してみせた。国立成育医療研究センターで実施したブタ動物実験、杏林大学で実施したヒトの胆嚢摘出手術、三宅病院(愛知県名古屋市)で実施した眼科手術である(関連記事5同6)。

 8K技術についてシャープは、2018年の実用開始が予定されるテレビ放送に加えて、「医療分野でのニーズが非常に大きい」(同社 新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏)と話す。手術のほか、(腫瘍組織の性質などを調べる)病理診断などへの適用が期待されるという。同社はこれまでも医療応用を想定した8Kディスプレーを披露したことがあるが、額縁の幅が広いタイプのものだった。今回は額縁の幅が狭い、コンパクトなタイプを披露した。

 このほか、脈波センサーの展示では「あなたのホントの年齢(インターナルエイジ)計測します」とうたうアプリケーション「Internal Age System」を紹介した。脈波センサーで測定した血管の硬さから“血管年齢”を算出。被験者の顔の撮影画像を、算出した血管年齢にふさわしいものに“修正”するアプリケーションだ。同社が開発中の脈波センサーやAGEsセンサーは、ヘルスケア・医療分野だけでなく「化粧品やサプリメントなどの業界にも興味を示してもらっている」(山崎氏)。今回はこうした応用を意識したアプリケーションを見せた。

 医療機関や介護施設などでの洗濯に使える「除菌消臭水」を、場所を問わず手軽に生成できるというユニークな装置も出展した。「オンサイト・オンデマンド 連続電解次亜塩素酸類生成器」と名付けたこの装置は、水と専用液を投入すると、次亜塩素酸を含む除菌消臭水をワンタッチで生成。同装置と接続した洗濯機と連動して動作する。複数種のウイルスに対する除菌効果を実証済みという。