2015年6月15~19日に京都市で開催される半導体デバイス/回路技術に関する国際学会「2015 Symposia on VLSI Technology and Circuits」をレポートする。
VLSIシンポジウム
2015年6月15~19日、京都
目次
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ハイライト論文には14nmSoCや28nmReRAMが登場
「2015 Symposium on VLSI Technology」の会期初日には、開幕後の2件の基調講演に続き、ハイライト論文のセッションが開かれた。選ばれた論文は4件である。
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テラヘルツ波やミリ波帯のCMOSトランシーバーが続出
「2015 Symposium on VLSI Circuits」の「High Speed and High Frequency TX/RX」では、次世代の新しい応用や高速通信規格に向けたCMOS無線トランシーバー技術に関する報告がなされた。CMOSを用いた無線トランシーバーでは、イメージング用途等…
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5G対応などに向け、オーバーサンプルA-D変換器が広帯域化
「2015 Symposium on VLSI Circuits」のSession 18は「Wideband Over-Sampled ADCs」と銘打ち、広帯域オーバーサンプルA-D変換器について5件の発表があった。5G対応など通信速度の高速化に対応し、オーバーサンプルA-D変換器ICも順調に広帯…
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MRAMは本命不在、MTJ技術の裾野には広がり
「2015 Symposium on VLSI Technology」の会期3日目午前には、Session12「Memory Technology:MTJ and Related Devices」が開催された。MRAM向けの磁性トンネル接合(MTJ)形成技術やMTJを使った派生デバイスに関して、4…
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イメージセンサーは雑音低減や低電力化で多彩な成果
「2015 Symposium on VLSI Circuits」の「Image Sensors」(Session 4)では、低雑音、低電力、高ダイナミックレンジ、高速読み出しなどCMOSイメージセンサーに求められる広範囲にわたる技術開発や研究成果が発表された。本年度は5件の発表のうち、日本から3件…
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III-V族トランジスタ、実用化を強く意識した発表が増加
ロジックデバイスでは、Siチャネルを使ったトランジスタの微細化が粛々と進んでいる。だが、Siトランジスタの微細化では駆動力向上が次第に難しくなると予想されている。そのため、チャネルをGeやIII-V族化合物半導体といったよりキャリア移動度が高い材料に置き換える研究が盛んだ。
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ニッチ脱したCAM、適用的再構成などの提案相次ぐ
「2015 Symposium on VLSI Circuits」のセッション「SRAM and CAM」では、高密度CAMに関する2件の発表が注目を集めた。先端プロセス技術や低電圧技術を特徴とする論文が多いSRAM関連セッションにおいて、かつては“日陰的”な存在だったCAMの位置づけが大きく変わ…
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細かい技術の積み重ねにこそ次の本命、A-D変換器IC
「2015 Symposium on VLSI Circuits」では、A-D変換器IC関連の発表が目立ち、4つの関連セッションが用意された。このうち以下では、前半の2セッション、すなわちセッション3「SARADC&SC Filter」とセッション11「Nyquist ADC and DAC」から…
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プロセッサーは総力挙げて高速化と低電力化を継続
産業界ではビッグデータ処理やタブレット端末などのモバイル応用の重要度が増しており、マイクロプロセッサーの高性能化と低消費電力化への要求は高まるばかりだ。一方、微細化だけに頼る高性能化や低電力化は難しくなっているため、回路からソフトウエア、パッケージまでさまざまな技術を結集し、この問題に取り組んでい…
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回路技術だけでなく、LSIを使う“システム”に焦点
これまでLSI内部の回路技術を議論してきた国際会議「2015 Symposium on VLSI Circuits」は今回、スコープを広げた。LSIシステム、特にIoTに向けたセンシングモジュールやビッグデータ解析システム、ロボティクスなどの要素を採り入れた。LSIのアプリケーションの拡大やさらな…
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40Gビット/秒超の高速伝送、波形等化の低電力化進む
「2015 Symposium on VLSI Circuits」(2015年6月15~18日、京都)の有線通信分野では、従来の2値(NRZ)の差動伝送において、40Gビット/秒を超える超高速な伝送速度での低電力の波形等化技術の発表が相次いだ。活発な議論が行われ、質疑応答が途切れないほどだった。線…
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Ge FET寿命予測からRTN使う暗号まで、信頼性技術が多様に
半導体素子の微細化、III-V族半導体やGeなどの新規チャネル材料や新規構造の採用が着実に進むにつれ、信頼性技術はますます重要になる。これに伴い、関連する研究の内容も多彩になってきた。「2015 Symposium on VLSI Technology」(2015年6月15~18日、京都)の初日午…
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半導体産業の未来はバラ色? データの増大がけん引役に
京都市で開催中の半導体技術の国際学会「2015 Symposium on VLSI」では、「Semiconductor Industry in 2020:Evolution or Revolution」(2020年の半導体産業、進化か革命か)というテーマでパネルディスカッションが開かれた。
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7nm世代の基盤技術、さらにその先の微細化技術に進展
世にはびこっている"微細化限界説"を尻目に、半導体の微細化は着実に進んでいる。それを体現するような論文が、「2015 Symposium on VLSI Technology」(2015年6月15~18日、京都)では数多く発表された。初日の午後に開催されたテクノロジフォーカスセッション(セッション…
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指定時にデータが自動的に壊れるSSD、中央大が開発
中央大学理工学部 電気電子情報通信工学科 教授の竹内健氏らの研究グループは、インターネット上の“忘れられる権利(right to be forgotten)”を保証するメモリーシステムを開発した。SNS(social networking service)などに書き込んだデータの寿命を事前に設定す…
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ルネサスがIoT向けマイコンのロジック直上にReRAM、データ保持は10年を保証
ルネサス エレクトロニクスは、京都市で開催中の国際学会「2015 Symposium on VLSI Technology」でIoT(Internet of Things)向けマイコンの混載抵抗変化型メモリー(ReRAM)マクロ(メモリセルと周辺回路)の開発について講演した。
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パナソニックなどがReRAMを大幅に微細化、内蔵フラッシュ代替へ
パナソニックは京都市で開催中の国際学会「2015 Symposium on VLSI Techology」で、セル寸法が28nmの抵抗変化型メモリー(ReRAM)をベルギーIMECと共同開発したと発表した。「セル寸法が20nmでも大きな性能低下はない見通し」(パナソニック)。加えて、その技術を基に…