展示会場でも人気集める
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カード取り出し口を備える
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玉には静音化のためのコーティング加工
玉には静音化のためのコーティング加工
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 “パチンコ発祥の地”とされる愛知県名古屋市。その名にふさわしく、福祉機器として利用できるパチンコが同地から誕生した。パチンコメーカー、豊丸産業(名古屋市)が開発した福祉用パチンコ「トレパチ!」がそれだ。通所介護(デイサービス)施設などに向けたレンタルサービスを2015年6月に始める。「第18回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2015」(2015年5月21~23日、名古屋市国際展示場)に出展した。

 トレパチ!(Training-pachinko!)は、豊丸産業が「高齢化に応える製品として開発した」(同社)もの。娯楽にトレーニングの要素を加え、認知症予防などの効果を見込めるようにした。介護施設利用者のコミュニケーションのきっかけにもなるという。

介護現場にも“個人主義”

 ハンドルを回すと玉が決まった位置に飛ぶため、手が不自由な人も遊びやすく、足が不自由な人も車椅子に座ったまま遊べる。音声に従ってボタンを連打することでスロットの図柄をそろえるなど、娯楽とトレーニングを兼ね備えた遊び方が可能だ。大当たりが頻繁に起こるように設計されており、大当たりすると景品と交換できるカードを獲得できるため、やる気も引きだしやすい。玉にコーティング加工を施して静音化したり、設定台に手をついて立ち上がっても倒れない設計にしたりするなど、介護施設向けならではの配慮もした。

 なごや福祉施設協会に属する複数の介護施設に貸与し、導入効果を検証済み。「引きこもりがちだった高齢者が、元気にパチンコを楽しむようになるなどの効果があった。最近では“お遊戯”的な集団行動が苦手な高齢者が増えており、個人で遊べるパチンコは好まれやすい」(試験導入施設の担当者)。2015年2月に福岡県の施設向けにレンタルサービスを始めており、同年6月からは全国に展開する。レンタル料は1台のみ導入時に月額2万円で、導入台数に応じてこれよりも安価にする。