健康長寿支援ロボットセンターとあいちサービスロボット実用化支援センター(仮称)の概要
健康長寿支援ロボットセンターとあいちサービスロボット実用化支援センター(仮称)の概要
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 「自動車と航空宇宙に続く愛知県の産業の柱に育てようと、ロボットに力を入れ始めた。特にサービス(生活支援/介護)分野のロボットには大きな市場成長が見込める。愛知県はかねてロボット産業が盛んな地で、これを放っておく手はない」(愛知県産業労働部 技監の加納廣和氏)。

 2013年の工業統計調査によれば、愛知県の製造品出荷額は42兆円。2位の神奈川県(約17兆円)に大差をつけ、37年連続の日本一である。その原動力は言うまでもない。トヨタ自動車に代表される、世界有数の自動車関連企業の拠点が集中することだ。42兆円のうち輸送機械関連が23兆円を占め、そのうち実に22兆円が自動車関連という。残りが船舶や航空宇宙関連である。

作り手と使い手をつなぐ場に

 次は、愛知県を生活支援/介護ロボットのメッカに――。「第18回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2015」(2015年5月21~23日、名古屋市国際展示場)の「医療・福祉産業への新規参入を促すビジネスセミナー」に登壇した加納氏は、そんな姿を目指す同県の取り組みを紹介した。

 2015年4月には国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が、同センター内に「健康長寿支援ロボットセンター」を設立。企業などが集い、生活支援ロボットの実証やデモを実施できる場だ。

 愛知県は2015年8月、この健康長寿支援ロボットセンター内に「あいちサービスロボット実用化支援センター(仮称)」を設置する。国立長寿医療研究センターと連携し、ロボットの“作り手”であるメーカーと、“使い手”である医療・介護施設の両方をサポートする考えだ。同県はロボット産業育成に向け、2014年11月には「あいちロボット産業クラスター推進協議会」を立ち上げた。