小栗氏
小栗氏
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 愛知県立大学 情報科学共同研究所 教授の小栗宏次氏は、「次世代医療機器サミット2015~非侵襲センシングが拓くヘルスケアの明日~」(2015年4月20日、主催:日経デジタルヘルス)において、同氏が研究を進める次世代生体情報モニタリングについて講演した。

 小栗氏が取り上げたのは「カフレス血圧推定」と「尿量自動推定」である。現在、侵襲度の低い連続血圧計の開発は世界中で研究されているものの、実用化レベルに至っているものは少ないのが現状とし、日本大学 工学部 教授の尾股定夫氏が開発したカフなし血圧計(関連記事)について言及。「実際の商品レベルまで落とし込んだのは、(尾股氏のカフなし血圧計が)おそらく世界初」(小栗氏)と述べた上で、「位相シフト法」と呼ばれる簡便な連続血圧測定について紹介した。

 尾股氏の開発モデルは、Aライン(観血式血圧計)による動脈血圧値と高い相関関係を持つ非常に精密な血圧を取得できるのが特長だが、こうした背景から病室内での安静時の血圧測定を前提とする。一方で小栗氏が取り組むのは、運動負荷時の測定モデル。これを実現するために、光電式容積脈波を利用した血圧推定装置を開発中だとした。