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 世界の販売台数が年間1000万台を超えたトヨタ自動車。最大の市場である中国市場をどう攻めるのか。上海モーターショーの会場で、専務役員(中国本部長)の大西弘致氏に聞いた(上海モーターショー記事一覧)。

問:2020年には企業平均燃費の規制が100km/5L(20km/L)に強化される。ハイブリッド車(HEV)をどう位置付けていくのか

 2020年規制は世界的に見ても大変厳しいという認識だ。中国で販売するトヨタ車には、当然この基準を下回る車種も多い。ただ、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)、MPV(多目的車)、中型以上のセダンなどは収益率も高い。全体の販売台数を増やし、燃費規制をクリアするために、HEVモデルを増やしていく。

 現在のHEV比率は、トヨタブランドの「カムリ」で5%程度となっている。一方の「レクサス」では約30%である。ただ、レクサスの顧客は富裕層が多いと思っている。トヨタブランドの車両でHEVの比率を高めるためには、HEVモデルの価格を普及価格帯にまで下げる必要がある。

 2015年からHEVの基幹システムを中国生産することで、HEVを低コストで生産きるようにする。「カローラ」「レビン」、さらにほかの普及車にもHEVモデルを用意し、購入者のすそ野を広げる。

 2020年にはトヨタブランドの全車種で3割を超えるHEV比率を狙っていく。