新しいパッケージ技術に関しては、2.5/3次元実装のコスト低減が実用化への重要な課題だ。このうち、システムインテグレーションの手法としてここ数年脚光を浴びているのが、インターポーザーを用いた実装技術。その性能の高さは既に証明されており、研究室からもの作りの現場へとシフトしつつある。

 2.5次元実装については、Si/ガラスを用いたインターポーザーに関する研究が進行中だ。半導体チップだけに頼る高性能化に比べて、低コストで効率を高められる技術として期待されている。ただしその実用化に向けては、コストが大きな障壁となっている。

 ICEP-IAAC 2015では、その実用化に向けた材料・プロセス技術が数多く提案された。例えば福岡大学は、Scanning Laser Beam Induced Current(SLBIC)を用いたTSV(Si貫通ビア)の非破壊検査技術を発表した。TSVの検査コスト低減につながる技術だ。

 “2.1次元”実装に関しては、Siインターポーザーではなく、有機系インターポーザーの進化形といえる有機基板への注目度が高い。少ないリスクと投資で2.5次元実装に近い性能を引き出せる点で、実用性に非常に優れる。

 ただし、課題は有機系での高精細化だ。台湾Unimicron社が発表したLine embedded技術など、独自の工法も興味深いが、ビルドアップ材やフォトレジスト材でもファインライン化が顕在化しつつある。各社とも有機系を採用しながら、L/S=1~2μmの実現可能性を示す提案が数多くあった。