東邦大学医学部臨床生理機能学教授の東丸貴信氏
東邦大学医学部臨床生理機能学教授の東丸貴信氏
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高血圧は動脈硬化に最も大きな影響を及ぼす

 後半では、CAVI、頚動脈超音波検査、血液検査をすべて施行した20歳から44歳の患者240例にもとづいて、青壮年者の「動脈硬化危険因子の比較」「動脈硬化危険因子数による比較」などを解説。検査結果からは「CAVI、内膜中膜複合体の平均、プラークスコアは互いに相関する」「日本人でも20代から動脈硬化危険因子によりプラークが形成され、動脈硬化がより早く進行する」「高血圧はCAVIの値、内膜中膜複合体の平均、プラークスコアのいずれの値も上昇させる因子であり、動脈硬化に最も大きな影響を及ぼすと考えられた。特に若年者では拡張期血圧が影響する」などの結論が得られたという。

 続いて、頚動脈脈硬化と脳梗塞の関係について、無症候の4217例(55歳以上)の頚動脈のプラークを5.2年間にわたって評価した「ロッテルダム研究」から、「プラークの存在は脳卒中や脳梗塞のリスクを1.5倍増加させていた」などの研究成果を報告。最後に、欧州高血圧・心臓病学会の高血圧症治療ガイドライン2013の改定ポイントとして「降圧目標をすべて統一した」など12項目を紹介した。