予兆診断サービスの全体像
予兆診断サービスの全体像
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 日立製作所のヘルスケアグループは「2015国際医用画像総合展(ITEM 2015)」(2015年4月17~19日、パシフィコ横浜)に、医療機器の故障を事前に検知する「予兆診断サービス」を出展した。医療機器に取り付けたセンサーが収集したデータにもとづいて機器の“健康状態”を分析し、保守・点検のスケジュールを決定するというもので、リモートメンテナンスサービス「Sentinelカスタマーサポートサービス」の中で提供される。「計画的に点検・修理することで、故障が発生してから修理を手配するよりも機器の稼働率を向上させることができる」(日立製作所の担当者)という。

 分析対象となるデータは、日立製作所が世界中に納入した医療機器からIoT/M2Mシステムで収集し、日立製作所のクラウドに蓄積する。機器の種類別に温度、振動などを評価軸とする座標を用意して、個別の機器のデータをプロットする。その結果、データが座標の“正常な範囲”を外れた機器には「何らかの異常が発生する可能性が高い」と判断する。座標の“正常な範囲”は、日立製作所の機械学習サーバーが蓄積データにもとづいて決定する。

 展示ブースでは、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)のコールドヘッドを例にとって、温度などのデータから“健康状態”を判断する手順を説明していた。