出血まで再現する臓器モデル
(3)では、患者ごとの臓器立体モデルを3Dプリンターで作製し、(2)の手法で得る画像情報と組み合わせて、手術のパフォーマンスを高める。ここでは「Bio-Texture Modeling」と呼ぶ、臓器の形状だけでなく質感までを再現できる3次元モデルを使う。さらに、メスを入れた際の“出血”までも再現できる臓器モデル「BIOTEXTURE WET Model」を作製し、肝臓の部分切除術のシミュレーションなどに利用している。
最近実施したSynchro-surgery simulationは、東京慈恵会医科大学 呼吸器外科 教授の森川利昭氏との共同研究の成果で、骨格を含む胸部の臓器立体モデルを用いたもの。実際の肺がん手術を行っているそばで、医学生が手術器具とその患者の臓器立体モデルを使って、術者と同じ手技を同時並行で再現した。手術の「Self learning(自己習得)を可能にする」(杉本氏)アプローチだ。