講演する杉本氏
講演する杉本氏
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レーザアイウエアで手術支援画像を3D空間提示(写真提供:神戸大学)
レーザアイウエアで手術支援画像を3D空間提示(写真提供:神戸大学)
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没入型ホログラフィック3D表示システムも活用(写真提供:神戸大学)
没入型ホログラフィック3D表示システムも活用(写真提供:神戸大学)
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出血まで再現する臓器モデル

 (3)では、患者ごとの臓器立体モデルを3Dプリンターで作製し、(2)の手法で得る画像情報と組み合わせて、手術のパフォーマンスを高める。ここでは「Bio-Texture Modeling」と呼ぶ、臓器の形状だけでなく質感までを再現できる3次元モデルを使う。さらに、メスを入れた際の“出血”までも再現できる臓器モデル「BIOTEXTURE WET Model」を作製し、肝臓の部分切除術のシミュレーションなどに利用している。

 最近実施したSynchro-surgery simulationは、東京慈恵会医科大学 呼吸器外科 教授の森川利昭氏との共同研究の成果で、骨格を含む胸部の臓器立体モデルを用いたもの。実際の肺がん手術を行っているそばで、医学生が手術器具とその患者の臓器立体モデルを使って、術者と同じ手技を同時並行で再現した。手術の「Self learning(自己習得)を可能にする」(杉本氏)アプローチだ。

■変更履歴
2ページ目の「Oculus Rift」を用いた手術に関して「東京都内の病院で実施した」との内容を追加しました。本文は修正済みです。