人とロボットが同じ作業現場に入って協働で働く。「Hannover Messe 2015」(ドイツ・ハノーバー、2015年4月13日~17日)では、そんなコンセプトの製品が、いくつかの企業で出展された。

 工場などロボットが活躍する現場では、周りには柵を囲い、人とは違うスペースで生産活動を行うのが一般的だった。作業員が動作中に誤ってロボットに近づき、怪我をするのを防ぐためだ。人とロボットを同じ作業現場で働かせるのは、これまでの慣習を変える動きといえる。

自動車工場で働くロボ

 ファナックが展示したのは、35kgまでの重さの物体を移動できるロボット「CR-35iA」だ。ネジやトレーといった軽い物体については、同時に作業するロボットはあった。重い物体を動かせるロボットは、衝突の際、大きな怪我をする可能性があることから実用化されてこなかった。

 ファナックは、CR-35iAの適用先として「人の体に負荷がかかるような重いものを繰り返し運ぶような仕事に適している」とする。展示では、自動車の生産工場を模し、人が近くに立った状態で、ロボットがスペアタイヤを車に取り付ける作業をデモしていた。ロボットと人が隣り合った場所で別々の作業をするシナリオに加え、例えばロボットがタイヤを運びに人がボルトで車体に取り付けるという協働作業も考えられるという。