iArmS(写真左)を出展したデンソーのブース
iArmS(写真左)を出展したデンソーのブース
[画像のクリックで拡大表示]
腕の震えや疲れを軽減
腕の震えや疲れを軽減
[画像のクリックで拡大表示]

 デンソーは、手術支援ロボット事業に参入する。信州大学および東京女子医科大学と共同開発した自動追従型手台「iArmS(アイアームス)」を2015年4月に発売する。脳神経外科や耳鼻咽喉科などでの利用を想定し、定価は980万円。「第29回 日本医学会総会 2015 関西」の学術展示(2015年4月11~13日、国立京都国際会館など)に実機を出展した。

 iArmSは静止時には術者の腕をしっかりと支持し、移動時には腕の動きに軽やかに追従することで、腕の震えや疲れを軽減するロボット(関連リリース)。腕の支持部に力センサーを搭載しており、術者の意図をくんで「Hold」や「Free」といった動作モード間をオートマチックに行き来する。あらゆる位置で腕の重さとバランスする設計としたことに加え、モーターを使わない構造とすることで安全性を確保。「我々が高い市場シェアを持つ小型産業用ロボットのノウハウを生かした」(デンソー)。患者には触れないため、薬事対象外という。

 デンソーは2年ほど前に、信州大学および東京女子医科大学とiArmSの共同開発に着手。2014年9月からは信州大学 倫理委員会の承認を得て、同大学医学部の脳神経外科や耳鼻咽喉科で、実際の手術に使う臨床研究を進めてきた。東京女子医科大学でも臨床研究を進めている。