講演する山中氏
講演する山中氏
[画像のクリックで拡大表示]
学術テーマ展示「iPS細胞で臨床現場はこう変わる」に京都大学 iPS細胞研究所などが出展した「iPS MASTER」。タブレット端末用アプリで、山中氏によるiPS細胞発見の過程などを疑似体験できる
学術テーマ展示「iPS細胞で臨床現場はこう変わる」に京都大学 iPS細胞研究所などが出展した「iPS MASTER」。タブレット端末用アプリで、山中氏によるiPS細胞発見の過程などを疑似体験できる
[画像のクリックで拡大表示]

 「第29回 日本医学会総会 2015 関西」の学術講演(2015年4月11~13日、国立京都国際会館など)の開会講演では、2012年のノーベル生理学・医学賞受賞者で京都大学 iPS細胞研究所 所長・教授の山中伸弥氏が登壇。「iPS細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み」と題して講演した。

 山中氏は2006年、個々人の体細胞から作製でき、ほぼ無限に複製する自己増殖能と多分化能を備えるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を発見。世界中の研究者が「信じがたい素晴らしい成果に驚いた」(開会講演の座長を務めた、第29回 日本医学会総会 副会頭で大阪大学総長の平野俊夫氏)。整形外科出身の山中氏は「手術は下手だったが、実験は上手だった」と会場の笑いを誘った。

 iPS細胞の応用先として期待を集めているのが、再生医療と創薬。京都大学が2010年に設立し、山中氏が所長を務めるiPS細胞研究所(CiRA:Center for iPS Cell Research and Application)は「大学の研究機関だが、iPS細胞の『医療応用』という明確な使命を持つ。英語名にもあるApplicationこそが一番大切な使命だ」とした。