開会式には皇太子殿下がご臨席された。「日本の優れた医療制度が持続可能なものとしてよりよく発展し、多くの人が健康・長寿を実現できるかどうかが問われています。医療の関係者だけでなく、社会全体がこうした課題に取り組むことが望まれています」などとお言葉を述べられた。
開会式には皇太子殿下がご臨席された。「日本の優れた医療制度が持続可能なものとしてよりよく発展し、多くの人が健康・長寿を実現できるかどうかが問われています。医療の関係者だけでなく、社会全体がこうした課題に取り組むことが望まれています」などとお言葉を述べられた。
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登壇した会頭の井村裕夫氏
登壇した会頭の井村裕夫氏
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世界的指揮者の佐渡裕氏と、東日本大震災の被災地の子供たちなどによる「明日への祈りコンサート」
世界的指揮者の佐渡裕氏と、東日本大震災の被災地の子供たちなどによる「明日への祈りコンサート」
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 医学・医療分野で日本最大の学会・展示会である「第29回 日本医学会総会 2015 関西」が2015年4月11日、国立京都国際会館(京都市)をメイン会場に開幕した。会期を通じ、医療従事者など約4万人の参加を見込む。関連イベントを大阪市と神戸市で開催するなど、100年以上の歴史を持つ医学会総会として初のオール関西での開催となる。11日午前には開会式が行われた。

 今回のメインテーマは「医学と医療の革新を目指して ―健康社会を共に生きるきずなの構築―」。開会式に登壇した第29回 日本医学会総会 会頭の井村裕夫氏(京都大学 名誉教授、元京都大学総長)は「医学・医療は大きな転換期にある」と述べ、これに対応して今回の総会で取り上げるテーマを紹介。医学分野では、ゲノムに立脚した「個の医療」、発症前の予防を目指す「先制医療」、機能を失った組織を再生する「再生医療」、そして「がんの新しい治療」を挙げた。医療分野では「少子高齢化を迎える中、どう持続可能な医療・社会を構築するか」(同氏)が大きなテーマになるとした。

 前回の第28回 日本医学会総会が開催された2011年には、会期直前に東日本大震災が発生。会場での講演会が中止されるなど「極めて小さい規模での開催を余儀なくされた」(日本医学会会長の高久史麿氏)ことから、本格的な開催は8年ぶりとなる。

 今回は、大きく三つの試みを打ち出す。第1に、「医学」「医療」「きずな」を切り口に分野横断でさまざまなテーマを論じる「20の柱」を学術講演に設けた。全部で100を超えるプログラムに、800人強の専門家が登壇する。

 第2に、オール関西での開催とした。第3に、一般公開展示「未来医XPO ‘15」を2015年3月28~4月5日に神戸市で開催するなど、一般市民の参加を重視した。「20の柱」のうちの9つの柱など、18企画に一般市民が参加できる。未来医XPO ‘15には約30万人が来場したという。