「helio」をアピールする壁を背にした、C\. J\. Hsieh氏 日経テクノロジーオンラインが撮影。
「helio」をアピールする壁を背にしたC. J. Hsieh氏
日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 台湾MediaTek社でPresident(総経理)を務めるC. J. Hsieh(謝清江)氏に、「MWC(Mobile World Congress) 2015」(スペイン・バルセロナで3月2日~6日に開催)で話を聞いた。米Qualcomm社と正面を切って対抗する姿勢が印象的だった。

 かつてQualcommとMediaTekには、それとなく棲み分けがあった。ハイエンド端末向けはQualcomm、普及価格帯端末向けはMediaTekという形だ。最近では、スマートフォン市場の変化によって、この棲み分けの形が崩れてきた。

 中国のスマートフォンメーカーが力を付けてきたことがその背景にある。MediaTekのお得意さんの中国スマホメーカーが力を付けてきて、普及価格帯だけでなく、ハイエンド端末も手掛けるようになってきた。

 スマートフォンなどモバイル機器の市場としての中国の存在感は、相変わらず大きい。実際、Qualcommにしても、中国市場を意識したミッドレンジやローエンドの「Snapdragon Processor」ICを、少し前から積極的に投入している。Qualcommも、MediaTekの土俵に入ってきているのだ。

 当然MediaTekも対抗策を打ち出す。例えば、今回のMWC 2015でCDMA2000対応モデムを搭載したスマートフォン向けプロセッサーSoC「MT6735」を発表した(日経テクノロジーオンライン関連記事)。MediaTekがCDMA2000に対応したモデムを提供するのは今回が初めてである。このチップはARM Cortex-A53を8個搭載しており、同社自慢の消費電力-処理能力調整技術の「Corepilot」を搭載している。