2015年2月22日~26日に米国サンフランシスコで開催の半導体デバイスに関する国際会議「2015 IEEE international Solid-State Circuits Conference(ISSCC 2015)」をレポートする。
ISSCC 2015
2015 IEEE international Solid-State Circuits Conference、2015年2月22日~26日に米国サンフランシスコで開催
目次
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台湾MediaTek、4×2のへテロジニアスオクタコアSoCの省電力機能を発表
台湾MediaTek社は2015年2月25日、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」で、「Cortex-A7」と「Cortex-A17」を4個ずつ搭載するスマートフォン(スマホ)向けヘテロジニアスオクタコアSoCの省電力機能について発表した(論文番号23.3)。SoCは28nmプロセス、h…
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GHz帯VCOの位相雑音低減やTHz帯位相同期送信機アレイで注目の発表
ISSCC 2015のSession 25「RF Frequency Generation from GHz to THz」では、通信やセンシング、イメージングシステムなどに汎用的に用いられる回路構成要素として重要な、周波数生成回路に関する技術が一堂に会した。フリッカ雑音低減によって位相雑音を低減…
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SDR受信機を目指したRFフィルタレス技術やパワーアンプの性能向上が進む
「ISSCC 2015」のsession2「RF TX/RX Design Techniques」では、SDR無線受信機の実現を狙ったRFフィルタレス技術やパワーアンプの高効率化技術などが発表された。無線技術は引き続き発展を遂げており、それに伴い、無線規格や周波数帯の数が増加している。携帯電話機を…
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「格子暗号は量子コンピューター時代の主役候補」、KU Leuven教授
ベルギーUniversity of Leuven(KU Leuven:ルーヴェン・カトリック大学)教授のIngrid Verbauwhede氏は2015年2月25日、半導体関連の国際学会「ISSCC 2015」のセッション24「Secure, Efficient Circuits for IoT」に…
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メモリーは最先端技術ノードに変化なく、特定用途を狙った発表が増加
「ISSCC 2014」では、NANDフラッシュメモリー(16nm世代)、SRAM(14nm世代)、混載DRAM(22nm世代)とプロセスノードが一気に進展した感があった。「ISSCC 2015」では、テクノロジドライバーであるSRAMのプロセスノードは更新されなかったものの、NAND(15nm世…
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論文15件採択のデータコンバーター分野、すべての講演で立ち見が出る盛況ぶり
「ISSCC 2015」のデータコンバーター分野のセッションは、例年通り最も広い会場で行われた。すべての講演で立ち見が出る盛況ぶりであり、本分野への変わらない関心の高さを窺わせた。
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IoTやバイオメディカル向けに複数技術が高いレベルで融合したシステムが多数登場
「ISSCC 2015」のTechnology Direction(次世代回路・システム分野)領域では、バイオメディカル、近距離無線(RFIDや人体通信など)、Si以外の材料(フレキシブル材料やGaNなど)の特性を最大限に引き出す新回路やシステムの提案など、将来発展する可能性がある領域の発表が多数行…
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有線通信、100GBASE-KR4やSiフォトニクスなどに高い関心
「ISSCC 2015」の有線通信分野は、チップ間やプリント基板間のバックプレーン伝送(主にセッション3)、光ファイバ伝送(主にセッション22)、それらのLSIを構成するCDRやPLLなどの個別回路技術(主にセッション10)の3つのセッションを構成している。「ISSCC 2014」に引き続きセッシ…
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IBMやOracle、Intelがクラウドを支えるハイエンドプロセッサーで競演
高性能デジタル(High Performance Digital)分野は、2つのフルセッションSession 4「Processors」およびSession 14「Digital PLLs and SoC Building Blocks」と、1つのショートセッション Session 23「Low …
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次世代カメラや車載応用に向けたセンサー技術に高い関心
「ISSCC 2015」の撮像素子のセッションでは、裏面照射型イメージセンサーの直下にA-D変換回路や信号処理回路のチップを積層構造で集積した2000万画素イメージセンサーをソニーが発表した(講演番号6.1)。400万画素の動画撮影中でも動画を途切れさせずに、1600万画素の静止画を取得できる高速…
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IoTに向けた高速・低電力のデジタル回路が相次ぐ
Internet of Things(IoT)によって実現される便利な社会への期待と市場が広がりつつある。また、ポスト・スマートフォン時代のアプリケーションやウエアラブル端末の開発が近年盛んに行われている。これらを実現するシステムとそれを支えるLSIでは、高性能と低電力の両立が必須である。「ISS…
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金属電極を使わないCMOSとカーボンナノチューブのバイオセンサー、韓国の3大学
韓国のSeoul National University、Kyung Hee University、Chonnam National Universityは現地時間2015年2月24日、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」(米国サンフランシスコ)で、CMOSとカーボンナノチューブを組み合…
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台湾MediaTek、世界初のスマホ向けH.265/HEVCコーデックLSIを発表
台湾MediaTek社は米国太平洋時間2015年2月25日、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」において4Kビデオ対応のH.265/HEVCコーデックLSIを発表した(講演番号18.6)。4Kディスプレー搭載のスマートフォン(スマホ)向け製品として年内にも発売される予定で、「スマホ向けで…
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IBM、出力10Wのフル集積スイッチトキャパシタ降圧回路を発表
メニーコアのマイクロプロセッサーを低電力化する手法としては、処理量に応じてコアごとに電源電圧とクロック周波数を変化させるDynamic Voltage and Frequency Scaling(DVFS)が有効である。しかし、例えば16コアのプロセッサーでコアごとのDVFSを行うためには16個の…
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視線の先の物体を認識するHMD、韓国KAISTが開発
韓国Korea Advanced Institute of Science and Technology(KAIST)は、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」で、視線追跡と物体認識、さらにAR(仮想現実感)を組み合わせたヘッドマウントディスプレー(HMD)「スマートグラス」を開発したと発…
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東京大学がウエアラブル発熱検知計を開発、発熱するとブザーが鳴る
東京大学 教授の桜井貴康氏と同 染谷隆夫氏の研究グループは、腕に巻き付ける形で利用するフレキシブルな発熱警告シート「Fever Alarm Armband(FAA)」を開発した。
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スマホ普及に伴う周波数帯域や通信速度の不足に応える無線技術が相次ぐ
セッション19「Advanced Wireless Techniques」では、ワイヤレスネットワークの通信容量や通信速度を拡大するための技術に関する発表が相次いだ。背景は、スマートフォンなどのモバイルデバイスを利用したワイヤレスデータ通信が普及し、このままでは周波数帯域や通信速度が足りなくなる恐…
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「膨れ上がったSoC設計コストをLEGOブロック方式で削減」、米Marvell社CEOが基調講演
大手のファブレス半導体メーカーである米Marvell Technology社のCEOであるSehat Sutardja氏は2015年2月23日、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」の基調講演に、韓国Samsung Electronics社 PresidentのKinam Kim氏に続く2…
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Michigan大が超低消費電力295pWで動くプロセッサーを開発、次は太陽電池も集積へ
米University of Michigan、Ann Arbor校の研究者は、半導体回路技術の国際学会「ISSCC 2015」で、エネルギーハーベスティング向けに超低消費電力のマイクロコントローラーを開発したと発表した。
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脳と半導体デバイスの連携をテーマに議論、医療やインターフェースへの貢献に期待
半導体関連の国際学会「ISSCC 2015」で現地時間2015年2月22日、パネルディスカッション「Brain-Machine Interfaces: Integrated Circuits Talking to Neurons」が開催された。開会式前夜となる日曜夜のイブニングセッションを舞台に、人…