電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)か――。

 自動車業界がガソリン安に包まれる中で開幕した米国最大の自動車展示会「The North American International Auto Show(NAIAS、デトロイトモーターショー)」。会場にはピックアップトラックやスーパーカーなど、ガソリンをふんだんに消費する車両がずらりと並んだ。

 だが、自動車メーカーは皆、将来的には電動車両に移行していくシナリオを持つ。今回のデトロイトモーターショーで目立ったのは、プラグインハイブリッド車(PHEV)への取り組みである。今後数年で市場投入する車両のお披露目や計画の発表が相次いだ(デトロイトモーターショーの記事一覧)。

 こうした華やかな舞台の裏で、“次世代車両”の覇権を狙う静かな争いが繰り広げられていた。

図1 講演のステージに立つTesla Motors社CEOのElon Musk氏
図1 Tesla Motors社CEOのElon Musk氏
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 「2025年までに、年間100万台を超えるEVを量産する」――。EV市場を引っ張る存在となった米Tesla Motors社。同社CEOのElon Musk氏は2015年1月13日(米国時間)、強気の姿勢を示した。モーターショーの会場からほど近いデトロイト市内で開催されている自動車関連のカンファレンス「Automotive News World Congress」に登壇、今後の見通しについて発言した(図1)。