米General Motors(GM)社は、プラグインハイブリッド車(PHEV)「Volt」の次世代モデルを2015年後半に市場投入すると正式発表した(図1、関連記事)。Voltは米国で最も売れているPHEVとして知られる。2010年の発表以来、初めて大幅な改良を加えることで、電動車両市場での存在感の向上を図る(関連記事)。

図1 2015年後半に市場投入予定の次期「Volt」
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図2 GM社CEOのMary Barra氏
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 「(現行モデルから)あらゆる性能を向上させた」――。米国最大の自動車展示会「The North American International Auto Show(NAIAS、デトロイトモーターショー)」でGM社は記者発表会を開催、同社Chief Executive Officer(CEO)のMary Barra氏は自信をのぞかせた(図2)。

EV走行距離は80kmに

 性能面での向上が大きかったのが、電池のエネルギーによってモーターのみで走れるEV走行距離を50マイル(約80km)まで延ばした点だ。現行モデルのEPA燃費ラベルに示された1充電当たりのEV走行距離は35マイル(56km)となっていた。実際のユーザーからのデータでは、「多くの所有者が35マイル以上を走行しており、約15%の運転車は40マイル(約64km)超だった」(GM社)という。仮に40マイルを基準としても、次期VoltではEV走行距離を25%を延ばしたことになる。

 EV走行距離を延ばすため、GM社は次期Voltで(1)搭載するLiイオン2次電池の容量を増加、(2)駆動ユニットの高効率化、(3)軽量化などの改良を加えた。