2015年1月6~9日に米ラスベガスで開催の、米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「2015 International CES」をレポートする。
2015 International CES
2015年1月6~9日、米ラスベガスで開催
目次
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ガス/大気圧/湿度/温度のセンサーを3mm角のパッケージに
ドイツBosch社が携帯機器向けに開発
加速度センサーやジャイロセンサー、照度センサーなどを搭載し、まさに「センサーのかたまり」になったスマートフォン(スマホ)。だが、実装面積が限られるために、1パッケージになるべく多くのセンサーを搭載することが求められている。そんなスマートフォンをはじめとする携帯機器業界の需要に応えるために、ドイツB…
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テレビとBlu-ray Discはハイダイナミックレンジに向かう
麻倉怜士CES報告
映像の進化はこれまでもっぱら高解像度化が中心だったが、ついにこれまで手つかずだった「ダイナミックレンジ表現」に手が入った。「2015 International CES」会場のテレビ関係のブースは、日本も韓国も中国もハイダイナミックレンジ(HDR)の言葉であふれていた。
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欧米中ベンチャーがお手軽ドローン、手の平サイズ・スマホ対応で空から“自撮り”
簡単に扱えるドローン(小型無人ヘリ)の開発が加速している。「2015 International CES」では、手の平に載るほど小さくしたものや、スマートフォンで操作できるものを各社が発表した。ドローンの大きな用途の一つが、カメラを搭載しての「空撮」。各社の開発品には、スマートフォンで映像を確かめ…
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次世代Blu-ray Discフォーマットの詳細が分かった
麻倉怜士CES報告
4K対応Blu-ray Discの正式名称が「ULTRA HD BLU-RAY」に決定した。BDA(Blu-ray Disc Association)での検討作業においてフォーマットの大筋はすでに定まっており、2015年春の決着を目指して、マークの検討などが現在進んでいる。2015年春には規格書が…
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VR時代の幕開け、急増するHMD
没入型からレンズだけの超簡易型まで
いよいよVR(仮想現実感)元年の到来――。そう予感させるほど、2015年のCESではVRコンテンツを視聴するためのヘッドマウントディスプレー(HMD)や、関連機器の出展が相次いだ。VR用HMDとして有名な米Oculus VR社のOculus Riftの最新版をはじめ、Oculus Riftを模したよ…
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VR時代の“マウス”を目指し、入力技術の提案相次ぐ
ジェスチャーや視線で自然に操作
米Oculus VR社のヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」のようなVR(仮想現実感)用の表示機器への関心が高まる中、CESではVR時代を見据えた新しい入力技術の提案も相次いだ。同技術を開発する各社が狙うのは、パソコンのマウスやキーボードのような、VRコンテンツの操作に不可欠な存在に…
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見えないものを見えるようにするカメラ
暗闇や視界不良でも視認可能に
通常のカメラでは見えないものを見えるようにするーー。そんな画像処理技術を、シャープと東芝がCESでそれぞれ出展した。主な用途は監視カメラだが、車載カメラにも応用できる可能性がある技術だ。
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近接無線規格TransferJet、いざスマホへ
東芝が関連展示
2008年の登場から約7年。普及しているとは言いがたい近接無線規格「TransferJet」が、いよいよ“本丸”のスマートフォン(スマホ)攻略に向けて本腰を入れ始めた。TransferJetコンソーシアム参加企業の中で、特に普及促進に力を入れる東芝は、スマホ搭載に向けて「外側」と「内側」から攻略す…
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Googleが関心寄せる「和製Google Glass」
ウエストユニティスが別バージョンを出展
「Google社の人が“偵察”に来ましたわ」――。こう語るのは、「和製Google Glass」こと「InfoLinker」を手掛けるウエストユニティス 代表取締役の福田登仁氏だ。前のモデルでは「inforod」という名称だった。今回、光学系などの仕様を変更したことに伴い、名称を変えた。
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無線に注力する東芝、目玉は低遅延映像伝送
Bluetoothで1280×720画素、15fpsも伝送可能
東芝は、CESの会場に隣接するホテルで同社の最新製品や技術を展示した。その柱の1つが、無線技術だ。中でも開発中の新技術として紹介したのが、無線による映像伝送技術「Air HD」である。
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新しい色再現、量子ドット導入か、それともLEDそのものの改良か
麻倉怜士CES報告
「2015 International CES」の韓国、中国のテレビメーカーのブースへ行くと、「QUANTUM DOT」の文字が大きく躍っている。量子ドットである。量子ドットとは化合物や酸化物の半導体の微粒子(数n~数十nmのサイズ)。発見された当初は、移動が抑制され、狭空間に閉じ込められた状態の…
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写真で見るDaimlerの自動運転車、テーマは「動く居住空間」
「この車は単なる移動手段としての役割を超越する。(自動運転車は)究極的には、動く居住空間になるだろう」――。ドイツDaimler社でChairman of the Board of Managementを務めるDieter Zetsche氏は、「2015 International CES」の基調…
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パナソニックの55型8Kディスプレー開発秘話を聞く
麻倉怜士CES報告
8K(8K×4K、7680×4320画素)は大画面で展開されるものと思っていたら、パナソニックが55型のパネルを自社開発。その狙いがBtoB市場だ。パナソニックは4Kでも、テレビの前に20型のタブレット端末で参入した。8Kの場合も、放送対応を考えると、デコーダーなどの半導体が現段階ではまだ整ってい…
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曖昧検索でスマッシュヒット、Roviの「パーソナル・レコメンデーション」
麻倉怜士CES報告
放送、クラウド、パッケージメディアのコンテンツデータの管理・ソリューション会社の米Rovi社が、VOD(ビデオ・オン・デマンド)ユーザーに的確に見たいコンテンツを教えるパーソナライズ・レコメンデーション・サービス「RoVi Search & Recommendations」をスタートさせた。いわば…
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日本発ウエアラブルベンチャーの新発想「Telepathy Jumper」
麻倉怜士CES報告
「2015 International CES」会場のLas Vegas Convention Center(LVCC)の横にあるホテル「Westgate Las Vegas Resort & Casino」は、旧Las Vegas Hiltonである。会場のLVCCに入りきらない会社のブースや製…
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ソニーの新開発4Kプロセッサー「X1」の正体が分かった
麻倉怜士CES報告
ソニーの新しい4Kテレビは3シリーズ、11機種に及ぶが、そのすべてに搭載されるのが高画質を支えるプロセッサー「X1」だ。「さらなる高画質を実現」とニュースリリースにある。従来のプロセッサーは「XCA8-4K」だった。それがX1というスマートなナンバーのプロセッサーになった。
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小型のドングル型やデジカメ型のサーマルカメラ
米FLIR Systems社が開発
安価な赤外線カメラ(サーマルカメラ)の新機種を米FLIR Systems社が開発し、「2015 International CES」に出展した。スマートフォン(スマホ)と外付けして利用できるドングル型の新しい「FLIR ONE」と、デジタルカメラのような外観の「C2」である。いずれも、赤外線カメラ…
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「ドローン」のParrot、次のターゲットは“植物”
無人機(ドローン)で有名なフランスのParrot社が次に仕掛けるもの。それが、植物向けの自動給水装置である。例えば、自宅を留守にした場合に、鉢植えなどに水を与えることを想定する。「2015 International CES」では、2種類の試作機を展示した。
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描くように立体物を作る「3Dペン」に新型機
描くように立体物を描けることから、注目を集めた米WobbleWorks社のペン型3Dプリンター「3Doodler」。その新型機「3Doodler 2.0」をCESに出展した。従来品に比べて、小さくしてマーカーペン並みにした。重さは約半分の50gになった。3Doodler 2.0では、ペン先から熱し…
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「価格5万米ドル」の4K超短焦点プロジェクターは、誰が買ったか
麻倉怜士CES報告
1年前の「2014 International CES」のキーノートスピーチでソニー社長の平井一夫氏が発表した、光と音と映像で演出する新しい生活提案「Life space UX」のコンセプトが、いよいよ具体的な形で展開され始めた。