講演する嶋 元氏
講演する嶋 元氏
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 川崎市薬剤師会会長の嶋 元氏は、「次世代薬局サミット2014 ~地域包括ケア時代の“健康管理ステーション”へ~」(2014年12月2日、主催:日経デジタルヘルス)で、神奈川県川崎市内の一部薬局で試験運用しているソニーの電子お薬手帳「harmo」について、採用の理由や利用者の声などを紹介した。

 harmoは、調剤された薬の履歴などのデータをクラウドサーバーに格納する情報共有システム。FeliCaチップを内蔵するカードを薬局の端末にかざすだけで、調剤履歴の閲覧や調剤情報の記録ができる。また、利用者がスマートフォンで入力した副作用やアレルギーなどの情報も合わせて管理できる。

 川崎市薬剤師会では、2008年ごろから検討・準備を進め、2011年から川崎市宮前区で、2013年からは川崎市の全区で試験運用している。2014年に入って横浜市4区でも試験運用が始まり、現在では川崎市で約120、横浜市で約50の薬局で導入している。一般利用者は約5200人という。

 嶋氏は、harmoを採用した理由を4つ挙げた。1つは誰でも使えること。ICカードを薬局端末にタッチするだけの操作のため、患者に負担が少ない。また「harmoにとってスマートフォンが必須ではなく付加機能の位置づけであることも、高齢者の利用が増えやすい理由の1つ」(嶋氏)。harmo利用者自身がスマートフォンを使わなくても、例えば保護者がスマートフォンを使って子どもの調剤情報を管理する使い方などが広がっている。