講演する阿部氏
講演する阿部氏
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 米Intel社日本法人のインテルの阿部剛士氏(取締役 兼 副社長執行役員 技術開発・製造技術本部 本部長)は、「SEMICON Japan 2014」(2014年12月3日~5日、東京ビッグサイト)の「製造イノベーションフォーラム ~サブ10nm世代の生産技術~」に登壇。「Moore’s Law is Alive and Well」と題し、同社のマイクロプロセッサー/SoC製品群の製造プロセスの進化について講演した。

 阿部氏はまず、製造プロセスの微細化が進んだことを受け、設備投資額が高騰している状況に触れた。Intel社は2010年ごろまでは、年間50億米ドル規模の設備投資を続けてきた。ところが2011年を境に設備投資額は「2倍に跳ね上がった」。2011年に108億米ドル、2012年に110億米ドル、2013年に107億米ドルと、3年連続で1兆円規模を投じており、2014年も同水準になるという。

 研究開発投資額も同様の傾向だ。従来は年間50億米ドル規模だったが、2011年に84億米ドル、2012年に101億米ドル、2013年に106億米ドルを投じた。「これほどの投資をしないと、イノベーションが続かない時代になった」。設備投資額と研究開発投資額の合計は、同社の年間売上高の約40%にも達している。

 量産立ち上げのための設備投資額をプロセス世代別に見ると、65nm/45nm/32nmプロセスの間には大差がないが、22nmプロセスでは従来比で「50%ほど増えた。フィンFET(トライゲートトランジスタ)を導入したことで製造工程数が増え、必要な製造装置も増えた結果だ」。2014年下期に第1弾製品の発表を行った14nmプロセスでも、同様の傾向を見込んでいるという。