講演するFarrar氏
講演するFarrar氏
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 オランダASML社 EUV Marketing Vice PresidentのNigel Farrar氏は「SEMICON Japan 2014」(2014年12月3日~5日、東京ビッグサイト)の「半導体エグゼクティブフォーラム」に登壇。「EUV Lithography: Growth, Industrialization & Beyond」と題し、EUV露光装置の開発の進捗について説明した。

 Farrar氏はまず、10nm世代以降の論理(ロジック)LSIを製造するうえでは、高い解像性能が得られ、複雑な回路パターンにも対応できるEUV露光が欠かせないと強調した。10nm世代の論理LSIは「液浸露光(のマルチパターニング)でも製造できるが、プロセスの複雑さが増しコストも増える」。7nm世代にいたっては、液浸露光のステップ数は33にも達し、これをEUV露光では9ステップに抑えられるとした。

 現在、同社は量産用EUV露光装置「NXE:3300B」を計7台、ユーザー企業に納入済み。加えて4台を製造中で、2014年10~12月期に1台が出荷されるという。並行して「NXE」シリーズの第4世代機となる量産用EUV露光装置「NXE:3350B」のインテグレーション(組み立て)を進めており、台湾TSMCから2015年に納入する2台を受注済みである(関連記事1)。

 納入済みのNXE:3300Bについては、2つの顧客サイトで1日当たり500枚を超えるウエハー露光に成功したという。ウエハー処理枚数については「2015年に1日当たり1000枚、2016年に同1500枚を実現する」。1時間当たりのスループットにならすと、2015年に約40枚/時、2016年に約60枚/時を目指すことになる。重ね合わせ精度については、ウエハー全面で1.1nm以内、装置間で4nm以内と「有望な結果を得ている」。