手の指で測れる
手の指で測れる
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記者の測定結果。“血管年齢”は実年齢よりも10年近く上、との結果が。記事を書きあぐねると、つい糖分を過剰に補給してしまい・・・。
記者の測定結果。“血管年齢”は実年齢よりも10年近く上、との結果が。記事を書きあぐねると、つい糖分を過剰に補給してしまい・・・。
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展示パネル
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 シャープは、血管内でたんぱく質が糖化してできる終末糖化産物(AGEs:advanced glycation endproducts)の蓄積度を数値化できるセンサーを開発した。「血管老化度センサ」と名付け、「SEMICON Japan 2014」(2014年12月3日~5日、東京ビッグサイト)に参考出展した。従来の血糖値センサーでは分からなかった“血管の老化度”を可視化でき、糖尿病などの早期発見につなげられるという。2015年度後半にも製品化したい考え。

 日常生活で糖分を過剰に摂取すると、たんぱく質が糖化し、本来の働きを発揮できなくなる。この糖化反応は糖尿病のほか、認知症やがん、高血圧、動脈硬化症などにも関与するという。つまり、AGEsは“万病の元”といえる物質だ。AGEsは血糖値と相関することが知られているものの、血糖値とは異なり、測定前の食事内容などによって測定値がばらつきにくいという特徴がある。

 今回シャープが開発したセンサーは、手の指の血管に青紫色光(波長365nm)を当て、AGEsの自家蛍光現象を利用して血管内のAGEsの蓄積度を数値化するというもの。現在、同センサーの使い道や効用について「共同研究先の大学などと検証を進めており、必要であれば薬事承認の申請を検討する」(シャープ 新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏)という。

 シャープはSEMICON Japan 2014に、座ると心身の健康状態を測れる「健康コックピット」を出展(関連記事1)。血管老化度センサを、健康コックピットのオプション機能に組み入れることも検討する。