ケアコーディネーターや医師、看護師などで構成されるケアチームがテレヘルスプラットフォームを利用して、在宅患者のケアプログラムを作成、健康状態をモニタリングしながら医療介入など適切な処置を実施する――。

フィリップスの長岡氏
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 フィリップス マーケティングマネージャーの長岡由利子氏は、「次世代ヘルスケア展」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス、2014年10月29~31日にパシフィコ横浜で開催)の講演で、このような近未来の在宅ヘルスケアシステムを紹介した。加えて、既に欧州のプロジェクトで展開されている幾つかのソリューションを説明した。

 フィリップスは、より多くの患者が病院で過ごす時間よりも、安心して健やかに自宅で過ごせるようにする「Hospital to Home」というコンセプトを掲げ、次世代のケアプログラムを推進している。このケアプログラムの実現のために長岡氏は、「対象となるさまざまな疾患を持つ患者を選定し、疾患もしくは患者に対してケアモデルを作成。そのケアモデルを実施するためにテクノロジーを利用し、収集した患者にかかわるデータを解析・活用していくというサイクルを回す必要がある」と説明する。

 在宅ケアプログラムで利用されるテクノロジーの1つが、「eCareCoordinator & eCareCompanion」と呼ばれるシステムである。まず、eCareCompanionは、患者宅に置かれたタブレット端末を介して患者サーベイ、健康状態の測定結果を時系列表示、患者とケアプロバイダーがリアルタイムにコミュニケーションする機能を持つもの。バイタルデータの収集などにより健康状態をモニタリングし、かつ解析データを視覚的に時系列表示することで、患者自身が状態変化を認識して健康維持のモチベーション向上に役立てられるという。

 そして、eCareCoordinatorは、測定結果やサーベイ結果をもとに、医師もしくはケアマネージャーなどがデイリーでレビューできるシステム。「モニタリングによるレビューにより、早急に医療介入が必要な患者を遠隔で確認できるほか、クリニカルノートやサマリーの作成もできる。電子カルテとの連動も視野に入れて開発しており、日本向けにモディファイしている段階」(長岡氏)と述べた。