「SEMICON Japan」が生まれ変わる。半導体の製造装置と材料の技術の進歩を確認する年に1度の場というこれまでの役割を見直し、半導体の作り手と使い手が集い、社会を変える力を持った半導体の応用と、そこで求められる半導体技術を考える場へと再定義。そして2014年12月3日~5日の3日間、新生「SEMICON Japan 2014」が開催される。SEMICON Japan 推進委員会の委員長を務めるJSR代表取締役社長の小柴満信氏に、SEMICON Japanの役割を再定義した狙いを聞いた。

─半導体業界の現状についてお聞かせください。

小柴 満信 氏
SEMICON Japan 推進委員会 委員長

小柴氏 これまで半導体業界は、元気がない、先行きが見えないと言われ続けてきました。しかし足元の2014年は、定性的に見れば良い年でした。半導体デバイスの世界市場の規模は、3250億米ドルで2013年比で約6%成長する見込みです。特に20nm世代のロジックが好調であり、メモリーの需要も旺盛でした。モバイル・インターネットがコンピュータの出荷台数を押し上げ、DRAMの価格も高値で安定していました。2015年にかけても成長基調にあり、半導体デバイスは3%成長の3360億米ドル、製造装置は11%成長の430億米ドル、材料は4%成長の470億米ドルになると予想しています。

─2014年のノーベル物理学賞が、日本発の半導体技術である青色発光ダイオードの研究成果に与えられました。強い装置・材料を持つ日本の特長が生きた明るい話題です。

小柴氏 その通りです。確かに、青色発光ダイオードの研究では、日本のものづくりの強みが発揮できたと思います。だが、これからも、ものづくりだけで世界をリードできるほど、甘くはないと考えています。半導体業界に限らずあらゆる産業において、2010年代と2000年代とでは、競争条件が大きく変わりました。