2014年10月7~11日に「CEATEC JAPAN 2014」が開催された。今年のCEATECは、いつも楽しみにしていたソニーの展示が無いのが少々残念だったが、日本の技術力の強さと弱さを改めて感じた展示会であった。この強みを生かしつつ、弱さをどう克服していくのかが、今後の日本の電子産業の最大の課題だと思った。

老舗の液晶パネルメーカーとしての底力を示したシャープ

 筆者が今回のCEATECで一番印象に残ったのが、シャープの8K液晶ディスプレーである。「CEATEC AWARD 2014 総務大臣賞」を受賞しており、その画質は受賞通りの素晴らしいものであった(シャープのニュースリリース)。

シャープの120Hz駆動の8K液晶ディスプレー
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 これまでの8Kディスプレーは、プロジェクター方式以外では十分な動画性能をデモすることができていなかった。しかし、今回の液晶パネルは直視型の8Kでは世界初の120Hz駆動を実現しており、その表示性能は標準画質といってもいいレベルに達していると思う。総務大臣賞の名に恥じない日本の技術力の結晶である。欲を言えば、コントラストやダイナミックレンジに関してはもう一歩改善の余地があるくらいだろう。おそらく、NHK(日本放送協会)も今後はこのパネルを用いてスーパーハイビジョン(SHV)のデモをしていくものと思われる。