SoC開発がグローバル化して、開発時のセキュリテイ確保が課題になってきた。設計の複雑さ、早期の市場投入のプレッシャーからSoC開発者は、各国のベンダーで開発されたIPコア回路を購入し、それらをもとにSoCを設計し、ファンドリに製造を委託するという開発の流れが一般化している。

 例えば、この流れのどこかでトロイの木馬(Hardware Trojan、ハードウエアウィルス:通常はその回路は動作していない、SoC設計者は気がつかない)が悪意をもって埋め込まれる。そのICが実際に使われているときに、特定日時やあるコードを受け取った時等がトリガとなり、トロイの木馬の回路が起動し、ICの動作が完全に止まったり、IC内のデータが流失してしまうということが生じるかもしれない。

 また何年も使われて廃棄された電子機器の基板からIC等の電子部品を抜き取り、新品として市販するビジネス(英語では"counterfeit"の1種)は、現在年間数百万米ドルの規模になっているという。この電子部品の信頼性(新品より寿命が短い)が問題になる。さらに、ICのリバースエンジニアリングによるデータ流失の問題もある。海外ではこの対策のための研究が行われている。