展示ブース
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頭の位置または体全体の動きを把握する
頭の位置または体全体の動きを把握する
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データ管理画面の一例。下側のグラフは、10分刻みでの動きの持続時間と激しさを、それぞれ円の大きさと色に対応させて表示したもの。グラフと上側の記録映像を紐づけて振り返ることができる。
データ管理画面の一例。下側のグラフは、10分刻みでの動きの持続時間と激しさを、それぞれ円の大きさと色に対応させて表示したもの。グラフと上側の記録映像を紐づけて振り返ることができる。
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 富士通は、病院や介護施設のベッド近くに近赤外センサーを取り付け、入院中の高齢者などの動きをリアルタイムに把握する起床・離床センシングシステムを開発した(関連記事)。医療機関と連携して実証試験を進めており、2015年秋に製品化する予定だ。「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7~11日、幕張メッセ)に出展した。

 このシステムは、認知症患者などを徘徊や転倒から守るための、看護師の業務負荷を軽減することを目指すもの。徘徊や転倒の予兆行動である起床や離床を、近赤外センサーを内蔵したカメラと、頭の位置を自動認識する画像処理技術で把握する。頭の動きを追い、一定範囲を外れると「起きた」「立ち上がった」といった具合に判別する仕組みだ。カメラ画像の分解能はVGAで、画角は80度。「ベッドの周囲3mくらいの状況を把握できる」(富士通)。

異常行動だけを抽出できる

 カメラとプロセッサー搭載ボードを一体化したシステムを開発中で、ナースコールとのインターフェース開発も進めている。病院や介護施設のナースコールシステムのオプションとしての実装を想定しており、日産厚生会 玉川病院(東京都世田谷区)で実証実験中である。

 この他、ベッド上での患者の体全体の動きを検出することもできる。このデータを持続的に蓄積することで「寝付けない」「暴れている」などの注意すべき行動を把握することが可能だ。これらの異常な動きと、寝返りなど普通の動きとは分離して把握できる。

 こうして蓄積したデータを、富士通が得意とする「電子カルテとつなげていく」(同社)。2015~2016年には、電子カルテとの連携システムを製品化したい考えである。