今回のサミットは、米TSensors Summit社とドイツFraunhofer Research Institution for Modular Solid State Technologies EMFTが共催した。写真は同社Bryzek氏。
今回のサミットは、米TSensors Summit社とドイツFraunhofer Research Institution for Modular Solid State Technologies EMFTが共催した。写真は同社Bryzek氏。
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今回のサミットは、米TSensors Summit社とドイツFraunhofer Research Institution for Modular Solid State Technologies EMFTが共催した。写真は同研究所のChristoph Kutter氏。
今回のサミットは、米TSensors Summit社とドイツFraunhofer Research Institution for Modular Solid State Technologies EMFTが共催した。写真は同研究所のChristoph Kutter氏。
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 1兆個のセンサー(トリリオン・センサー)を毎年活用する社会「TSensors Universeの実現を目指すサミット「TSensors Summit Munich」が、2014年9月15日、ドイツ・ミュンヘンで開催した。「TSensors Summit」は、2013年の米国を皮切りに世界各地で開催されているイベントである。米国に続き2014年2月に東京で開かれ、今回は欧州での初めての開催となり、11月には再び米国のサンディエゴ、12月に2度目の東京開催となる。

作物の種の1粒ごとにセンサー

 今回、TSensors Universeの発案者で起業家のJanusz Bryzek氏(TSensors社Chair)が、これまでのサミット以上に“破壊的な(disruptiveな)”提案をした。1つがセンサーの価格のイメージ。1米ドル、0.1米ドル、0.01米ドル、0.001米ドル、さらに0.0001米ドルとなった場合の応用の可能性を挙げた。

 1米ドルは、ソーシャル・デバイスとしてのセンサーネットワークが広く普及するレベルだ。用途は社会インフラ分野などである。0.1米ドルになると、衣類や靴、歯ブラシ、ペットなどへ応用は広がる。ここまでは、同氏などが挙げてきたIoTの応用例だ。

 0.01米ドルからは、従来技術の延長では実現が難しい。例えば製造手法は既存の半導体製造技術によらず、nmレベルの3Dプリンターで実現する。0.001米ドルでは、食料品のパッケージに付けて新鮮さを検知し、なくなると自動的に通販会社に発注する応用も挙げた。0.0001米ドルの応用例は、農業分野で種の1つずつに付けて、水や肥料を種ごとに最適化した条件で育てる、というものである。