カネカは、開発中の結晶Si型太陽電池モジュールを、太陽電池の展示会「PVJapan2014」(2014年7月30日~8月1日:東京ビッグサイト)の会場に展示した。54セル構成のモジュールで、「モジュール出力は270~280Wを目指している。詳細な時期は未定だが、なるべく早い時期に製品化したい」(説明員)とした。モジュールの写真撮影は認められなかった。

 カネカは現在、薄膜Si型太陽電池を製品化している。今回展示したモジュールは、同社が次世代品として開発している、ヘテロ接合とCu配線を採用した単結晶Si型太陽電池である。2013年10月の国際学会では、セル変換効率が23.6%で、出力が5.64Wのセルの開発結果を示していた(関連記事)。現在生産する薄膜Si型太陽電池のアモルファスSi成膜技術や、化学メーカーとしてノウハウがあるめっき技術や廃液処理技術を活用することで、既存の結晶Si型太陽電池メーカーに挑む方針だ。

 同じく薄膜太陽電池のCdTe型太陽電池を製造する米First Solar社も、Cu配線を使った結晶Si型太陽電池を2014年下半期にも生産する計画である。薄膜太陽電池メーカーが手掛ける結晶Si型太陽電池の登場が近づいてきた。