セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井 稔氏
セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井 稔氏
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 セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井 稔氏は2014年7月30日、「ウエアラブル・ジャパン2014 Summer」(主催:日経エレクトロニクス、東京・UDXカンファレンス)に登壇。「エプソンのウエアラブル戦略」と題して、ウエアラブル機器に対する同社の取り組みや製品に優位性をもたらす独自技術について講演した。

 セイコーエプソンは2009年に長期ビジョン「SE15」を策定した。SE15は2015年における“ありたい姿”を長期ビジョンとして描いたもので、ウエアラブル機器は開拓すべき新分野に位置づけられている。碓井氏は、長年にわたってクオーツウォッチを手がけてきた同社にとってウエアラブル機器への取り組みは、時流に乗った“付け焼刃”ではないと主張する。「当社のDNAに刷り込まれた省エネルギー、小型化、高精度の技術は、ウエアラブル機器にとっても無くてはならない技術と自負している」(碓井氏)。

 碓井氏はウエアラブル機器が現在注目されている理由を2つ挙げる。1つは、モバイルデバイスやクラウドの普及、ビッグデータ活用というテクノロジーの革新によって社会インフラが変化していること。もう1つは、人々の趣味や興味の多様化、生活習慣病の拡大などのライフスタイルの変化である。これらの変化によって、「いつでもどこでも、自分にとって価値のある情報を入手して、より良い生活を送りたいというニーズが顕在化している」(碓井氏)。

 セイコーエプソンでは、「健康・医療」「スポーツ」「ビジュアルコミュニケーション」という3つの分野でウエアラブル機器事業を展開する。そこでは「高精度センサーを搭載したウエアラブル機器だけでなく、そこで収集したデータを分析して最適なアドバイスをスマートデバイスに届けるためのプラットフォームを併せて構築し、お客様に提供していきたいと考えている」(碓井氏)。