牽引の様子。座って頭部を固定するだけなので、準備に時間がかからない
牽引の様子。座って頭部を固定するだけなので、準備に時間がかからない
[画像のクリックで拡大表示]
トラックタイザーTC-C1。患者は深く腰掛けてシートに身を任せていればよく、治療姿勢を維持しやすい
トラックタイザーTC-C1。患者は深く腰掛けてシートに身を任せていればよく、治療姿勢を維持しやすい
[画像のクリックで拡大表示]

 ミナト医科学は、頸椎の牽引治療に使う牽引装置として、引っ張る角度を7段階で設定できる新製品を「国際モダンホスピタルショウ2014」(2014年7月16~18日、東京ビッグサイトで開催)の同社ブースに展示した。

 頸椎の牽引治療では、治療部位に牽引力が作用するよう、角度を適切に調整することが重要だ。従来の牽引装置では、上部のアームを伸縮させることで、牽引角度を変化させていた。牽引力が加わるにつれて上体が前傾し、最初に設定したより牽引角度が浅くなるなど、適切な牽引角度を保つことが難しかった。

 新製品はシートの傾きを制御することで、治療部位に対して適切な角度で牽引できるようにした。角度は10~40度の7段階(5度刻み)で設定でき、ピンポイントで3番頸椎を牽引するといったことも可能だ。操作パネルのボタンを押すだけの簡単な操作で制御でき、従来のアーム調節より手間や時間が省ける。

 牽引力の強弱や、牽引の持続時間と休止時間なども操作パネルで容易に設定できる。複数の牽引角度を設定して順次角度を変えながら牽引する機能も用意した。各部位に幅広く牽引力を加えられる。また、牽引力を徐々に高めて徐々に下げる通常モードのほか、牽引スピードが通常の半分程度の「ゆるやかモード」、設定した牽引力まで段階的に力を強める「ステップモード」など、さまざまな牽引モードを搭載している。この新製品は「トラックタイザーTC-C1」の名称で、2014年7月21日に発売予定。価格は205万円(税別)である。