韓国Samsung Electronics社が2014年7月1~2日に開催した「2014 Samsung SSD Global Summit」(韓国ソウル市)。その目玉は、3次元NANDフラッシュメモリー「Vertical NAND(V-NAND)」を搭載した一般ユーザー向けSSD「Samsung SSD 850 PRO」の発表だった(関連記事)。一方、Samsung社が今後の市場成長にとりわけ高い期待を示したのは、データセンター向けのSSDである。性能が高い3次元NANDと、低コストのTLC(3ビット/セル)NANDを、データセンターの特性に応じて売り分けていく――。同社が示したのは、そんな戦略だ。

 今回のイベントに登壇したSamsung社 Vice President of Memory MarketingのJim Elliott氏が紹介したデータによれば、2014年におけるSSD市場は総容量ベースで1540万T(テラ)バイト。このうち75%をパソコン向けが占め、データセンター向けは17%を占めるにすぎない。これが2018年には総容量ベースで8750万Tバイトと5.7倍に達し、うち32%をデータセンター向けが占める(パソコン向けは63%)見通し。各社のクラウド・プラットフォームにおけるSSD利用率は、2013年における10.5%から、2014年に13.7%、2015年に15.6%へと高まっていくとした。

 同氏によれば、データセンターの運用コストの31%が消費電力関連。そして電力制御コストの17%をストレージが占めるという。HDDをSSDに置き換えれば、動作性能当たりの消費電力を約1/60に低減できるとして、データセンターにSSDを使う意義を強調した。

2018年にはSSD容量の約1/3がデータセンター向けに
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クラウドでのSSD利用率が高まっていく
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