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 「ウエアラブルを活用したデジタルヘルスビジネスにおいては、取得したデータを1社で独占せずに、さまざまなプレーヤーが活用できる仕組みを構築することが重要になる」――。プラクテックス 取締役の小原由記子氏は、2014年6月11日に開催されたデジタルヘルスAcademy「『ウエアラブル』の本質を議論する」(主催:日経デジタルヘルス)で「ウエアラブルを活用したデジタルヘルスビジネスの現状と課題」と題して講演し、このように語った。

4領域に分類

 小原氏は、国内のデジタルヘルス関連ビジネスを大きく四つの領域に分類した。BtoCかBtoBか、オンラインかオフラインか、という組み合わせの4領域である。

 具体的には、(1)BtoCかつオフラインの領域は、既存のヘルスケア事業者がサービスの一部をデジタル化することで参入するパターンが多い分野。(2)BtoCかつオンラインの領域は、ベンチャー企業などのネット事業者やキャリアの新規参入が中心で、デバイスメーカーによるサービス専門子会社なども存在する分野。

 そして、(3)BtoBのオフラインの領域は、健康保険組合向けの既存サービス(特定保健指導など)がデータヘルス計画などの政策に伴ってデジタル化している分野。(4)BtoBかつオンラインの領域は、健康保険組合の被保険者などに向けたサービスが中心で、自治体などによる住民向けサービスなども検討されている分野、とそれぞれ位置付けた。

 今後の展望としては、(1)(2)の領域にまたがる分野に登場する「店舗+サービス」型のデジタルヘルスビジネスが期待できると小原氏は指摘。具体的には、既に一般消費者との接点を持っているコンビニエンスストアやフィットネスクラブなどの店舗を活用して、あらたなデジタルヘルスサービスに乗り出す動きに注目していると語った。

 さらに、この領域には、ヤフーやディー・エヌ・エー(DeNA)の参入に象徴される、遺伝子解析サービスなども位置付けられるとした。