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Apple社のターゲットは…

 一方、(1)~(4)のすべての領域にまたがる部分に、「データアグリゲーション&ヘルスプロモーション」を手掛けるサービスが登場してくると小原氏は語った。「一つのデバイスや、一つのアプリケーションでは、ヘルスケアに関する多くの情報を集められない。さまざまなデバイスやアプリケーションからのデータをアグリゲーションした上で、ユーザーにサービスを提供することが重要になってくる」(同氏)。今後、米Apple社がデジタルヘルス分野で狙おうとしている領域が、ここに当たるのではないかと小原氏は指摘した。

 こうした領域のサービスが必要になる前提として、小原氏は、ヘルスケア分野の幅広さと、ユーザーニーズの多様さを挙げた。垂直統合的なサービスでは、どうしても提供できるサービスが狭くなってしまい、ユーザーニーズに応えにくくなる。このため、ヘルスケアデータをさまざまなプレーヤーが活用してサービスを提供できるようにする仕組みが、中長期的な市場成長には不可欠だと語った。

 一方、データの価値を高めるためにも、オープン型のプラットフォームは重要だと小原氏は指摘。「特に、予防医療など、従来の医療の手前の部分には今、正解(エビデンス)が存在してない。このため、集合値が意味を持ってくる部分だ」(同氏)と語った。