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 「これからはフィットネスクラブの役割が変わっていく。安心・安全、そして効果を可視化するために、ウエアラブル端末のような技術が必要になる」――。東急スポーツオアシス 営業開発部 ヘルスケア事業マネージャーの桑田勇人氏は、2014年6月11日に開催されたデジタルヘルスAcademy「『ウエアラブル』の本質を議論する」(主催:日経デジタルヘルス)で「将来のフィットネスクラブにおけるウエアラブル端末の役割」と題して講演し、このように語った。

医療との連携が深まる

 桑田氏はまず、フィットネスクラブをめぐる幾つかの状況の変化について説明した。その一つとして、会員の高齢化が進んでいることを指摘。具体的には、東急スポーツオアシスでは、2004年時点では30代以下が会員の54.5%を占めていて、60代以上の会員は13.6%だった。ところが2012年には60歳以上の会員が約25%を占めるまでになったという。これは、東急スポーツオアシスに限ったことではなく、どのフィットネスクラブでも同様な傾向だとした。

 さらに、ここにきてフィットネスクラブと医療との連携が深まってきたことについても言及した。桑田氏は、「私がフィットネス業界に携わって30年間、ずっと言われてきたのが医療との連携だった」と語る。高齢者になると、何かしらの体の不調を訴える人が多くなるが、「運動することによって、これらの症状を予防・改善できるケースは多い」(桑田氏)。ところが以前は、「医師からは『もう歳なんだから運動なんか無理』と言われてしまうことがほとんどだった」(同氏)という。

 しかし最近では、フィットネスクラブ(運動)に対する医師の見方が変わってきたと桑田氏は言う。「寝たきりになりたくなかったら、しっかりと運動しましょうと語る医師が多くなってきた」(桑田氏)。病院を建て替え・移転する際に隣にフィットネスクラブを建設したいというオファーも多くなってきているようだ。